心まで
強くなれない
ヤクルトを
たとえ毎日
飲み続けても

こんにちは。歌人の鈴掛真です。5・7・5・7・7の短歌の作家です。

最近、セクハラやパワハラに関するニュースが連日報道されていますね。
店員が悪質なクレーマーから受ける「カスハラ(カスタマー・ハラスメント)」なんて言葉も登場し、ハラスメントは今や最も注目度の高い社会問題のひとつとなっています。

こうした問題は、今に始まったことではなく、実はずっと昔から水面下で起こっていたことなのだと想像します。
それが、#MeTooなどをきっかけに、これまで泣き寝入りするしかなかったハラスメントの被害を訴えやすくなった。
「あのときの自分も、今思えばハラスメントを受けていたんだ」と、長年自分の心だけに留め、見て見ぬふりをしてきた傷跡に、被害者たちがやっと自ら向き合えるようになってきたのではないでしょうか。

「そういえば、僕があのとき女性から投げかけられた言葉も、セクハラ以外の何物でもなかったな」と思い出しました。
今回は、そんな僕の経験を初めて綴るとともに、今後の社会でハラスメントがどのように解決されていくべきかを考えてみたいと思います。

今だから話せるセクハラの記憶

それは9年ほど前のこと。勤めていた広告会社をそろそろ退職して作家業に専念しようか、と決めかねていた25歳の頃。

作家業といっても何から始めていいのかもわからず、クリエイターの集まりや飲み会に参加させてもらい、出版関係の人脈をなんとか作ろうと奮闘していました。
そんなとき、とある飲み屋で知り合ったのが、作家活動をしているという年上の女性。

年齢は、当時30歳くらいだったと記憶しています。同人誌に投稿したり、ライブハウスのステージで朗読するパフォーマンスなどで作品を発表している、とてもきれいな女性でした。
その日は共通の知り合いが紹介してくれた程度でしたが、それからも同じお店に足を運ぶたびに何度かいっしょに飲む機会があって、僕は書き溜めている自分の作品を彼女に見てもらったり、これからどんなふうに活動していったらいいか助言をもらったりしていました。

楽しく飲んでいたのに…Photo by iStock

やがて、僕は一念発起で広告会社を退職。その直後、縁あって出版社から声が掛かり、退職から半年で初の単行本を出版し、作家デビューに到ることができました。
そして、また飲み屋で顔を合わせた彼女に「おかげさまで本が出版できました!」と報告したとき、こんなことを言われたのです。

「へー!おめでとう!
なあに?出版社の人に抱かれでもしたの?(笑)