米製薬ベンチャー開発者が明かす 日本人が「海外で活躍できる理由」

リケジョだって活躍できる!
中鉢 知子 プロフィール

そこに日本のリクルーターから「日本にある製薬会社が『医師の資格を持っていて博士号を持ち英語が堪能な人を探している』と言っている」という連絡をいただいたので面接の上、採用していただきました。ファイザー株式会社の東京本社です。

ファイザー株式会社東京本社 Photo by Getty Images
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──日本では医師の資格を持つ人の多くが開業医になるという印象を持っていたのですが……。

 

欧米では医師免許を持つ人が製薬会社で働くということは珍しいことではないのですが、日本ではまだとても少ないですね。いたとしても多くがメディカルアフェアーズ部門や安全性評価部門など医学知識が直接役立つ職種がほとんどで、新薬の開発職ではあまり見かけません。これに対して欧米では開発職でも医師の資格を持つ人がたくさんいますよ。

──「医薬品の開発職」というと、新薬候補品の臨床試験を企画・実施する仕事ですね。製薬会社での研究開発というと実験室でフラスコを振っているイメージしか湧かない方も多いと思いますので、「開発職」について少し詳しく教えてください。

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新薬候補品の開発にあたっては、実際に患者を診る医師と製薬会社が共同で臨床試験を実施します。

この際、試験デザインを考え、実施計画書(プロトコル)を書き起こし、社内外の必要な承認をいただいた上で病院の医師の皆さんに実施していただくのが臨床開発担当者(クリニカルリード)の仕事になります。また、実施した試験の結果が良好であれば新薬として国に申請を行いますので、当局の担当の方々に対して臨床試験のデータの説明なども行います。

──ファイザーの東京本社ではどういう開発に関わられたのですか?

骨粗鬆症の新薬開発に取り組みました。日本が参加する国際共同試験の企画実施にくわえて、日本人を含むアジア人の至適用量を決める日本・韓国・台湾の共同試験もやったのですが、残念なことに世に出すことができませんでした。

再渡米してグリーンカードを取得

──この後、アメリカのファイザーで働くことになったとうかがいました。きっかけについて教えてください。

東京本社では臨床試験の実施だけでなく社外での業界活動などにも関わることができて、充実していて学ぶことも多かったのですが、すべてのプロジェクトがアメリカ主導で行われているのでアメリカで実施済みもしくは計画中の臨床試験デザインを日本で実施できるようにするというものばかりでした。

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