2019.12.29
# 経済・財政

2020年、ついに財務省の「景気対策のウソ」がバレる可能性

もうすでに勘付いているかも

攻防の一年

2019年は財務省にとって、消費増税の「悲願」達成の一年だったと言えるだろうが、2020年にはどう動いてくるのか。

結論から言ってしまえば、財務省にとっての'20年は、防戦メインの一年になると予想される。

懸案事項であった消費増税はクリアしたものの、11月以降、財務省は自民党と公明党からの大型補正予算の要求に苦慮していた。景気対策などを盛り込んだ大型補正予算は'20年1月20日から始まる通常国会で審議に入る。

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'19年度の補正予算は約4・5兆円で閣議決定した。すったもんだの議論があったが、考えてみれば補正予算は、消費増税による景気落ち込みを防ぐために組まれたものだ。増税を煽ってきた財務省からすれば、「身から出たサビ」と言えるだろう。

もともと、世界経済が不安定な時期に消費増税したのが間違いだった。本コラムでたびたび指摘しているとおり、景気落ち込みの対策には、マイナス金利を活用した公共投資を増やすのがセオリーだ。

 

国交省の公共投資の採択基準が市場の金利と合わなくなり、結果的に行うべき事業をまったく進められていないのが、景気落ち込みとそれに伴う大型補正予算の拠出の原因になっている。

市場的には「攻め時」であるにもかかわらず、財務省はそれを受け入れられず、防戦一方の姿勢を貫いている。この傾向は、'20年に突入してからも変わらないだろう。

いかなる経済理論においても、マイナス金利下では、国債の大量発行が正当化される。政府にとって「借金」としての負担にならないからだ。ところが財務省は、国債について「将来世代に負担をかけるもの」「財政の硬直化を招くもの」と、絶対悪のように主張し続けてきた。

だが、安倍政権の在任が歴代最長となり、アベノミクスとマイナス金利が長期化するなかで、先の財務省の主張は徐々にウソだとバレ始めている。しかし、プライドの高い財務省官僚は表立ってそれを言うことができない。

 

'19年度補正予算、そして約102兆円に膨れ上がった'20年度当初予算では、大量国債発行を回避した。この点について財務省は胸をなで下ろしているだろう。ただ、「経済対策にはマイナス金利を利用すべし」ということに他省庁やマスコミが気づくことを恐れている。

適当な財政ネタでマスコミを陽動し、金融機関の疲弊など、マイナス金利に関する弊害情報で誤魔化そうとする。

それに加えて、お決まりの「増税やむなし論」を流すことも忘れない。

国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は、日本の消費税率について「'30年までに15%、'50年までに20%へ増税する必要がある」との見解を示した。こうしたIMFの発言は、財務省から出向した人間が理事に言わせていることもある。

ちなみに、日本のマスコミが同基金のニュースを流すときは、ほとんどIMF理事室がソースだ。ここでの日本語対応でも財務省からの出向者が活躍しており、この意味では、中立的な国際機関と思わないほうがいい。

増税による景気落ち込みのしわ寄せ、そしてこれまで主張してきた理論の矛盾を追及されないための工作で、'20年の財務省は守りを決め込むだろう。

『週刊現代』2019年12月28日・2020年1月4日号より

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