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朝鮮労働党幹部が激白「米朝関係が改善する見込みは、ほぼ……」

北朝鮮が定めた「交渉期限」は今月末

「交渉期限」が迫ってきた

「国の全般的な武装能力を、軍事的・政治的にいっそう強化するための重要な組織的・政治的・軍事的対策を討議・決定する」

12月22日、朝鮮中央通信は、金正恩委員長が、朝鮮労働党中央軍事委員会第7期第3回拡大会議を招集し、軍事化路線を強化する講和を述べたことを伝えた。

2019年の暮れも押し詰まった時節に、再び米朝関係が緊迫してきた。

朝鮮中央通信は12月4日、同月下旬に朝鮮労働党中央委員会第7期第5回総会を開催すると発表した。ここで金正恩(キム・ジョンウン)委員長が、2017年以来の対アメリカ敵対視政策を打ち出す可能性が出てきたのだ。ここから「緊迫の師走」が幕を開けた。

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振り返れば、北朝鮮は、アメリカでドラルド・トランプ政権が発足した2017年、対米強硬路線を貫いた。水爆実験と称する大規模な核実験に加え、ミサイル実験を繰り返した。これに対しトランプ大統領も、金委員長を「チビのロケットマン」と呼ぶなど、米朝は一触即発の危機に陥った。

ところが、2018年に入ると、北朝鮮が同年2月に開かれた平昌(ピョンチャン)冬季オリンピックに参加。ここから北朝鮮は融和路線に転換し、同年4月には朝鮮労働党中央委員会第7期第3回総会を開いて、路線変更を行った。すなわち、従来の核建設と経済建設の「並進政策」から、「核建設はすでに完成した」として、今後は経済建設に集中するとしたのだ。

同年6月には、シンガポールで、トランプ大統領と金正恩委員長の歴史的な米朝首脳会談が実現した。この30年近く、米朝関係を見守ってきた私は、この時もシンガポールで現地取材したが、感慨深いものがあった。1950年の朝鮮戦争勃発以降、70年近くにわたっていがみ合ってきた米朝のトップが握手する日を見るとは、思わなかったからだ。

 

この歴史的な会談の仕掛け人は、極端とも言える「親北路線」を貫く韓国の文在寅大統領だった。同年9月には、金正恩委員長が文在寅大統領を平壌に招いて、朝鮮戦争を完全に終結させるための平壌共同宣言を、大々的に発表した。

だが、北朝鮮を巡る関係改善が進んだのは、ここまでだった。ワシントンでは、北朝鮮のCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)を求める「軍事強硬派」が、構わず前へ進もうとするトランプ大統領の背中を引っ張った。北朝鮮国内でも、「レジャー施設の工事現場作業員」に成り下がった120万朝鮮人民軍が、金正恩委員長を突き上げた。2018年秋には、軍の一部によるクーデター未遂が起こったという情報も飛び交った。

こうして2019年に入ると、米朝関係が不透明になっていき、2月にハノイで開いた2回目の米朝首脳会談は、決裂に終わった。それは現代外交史に残る見事なまでの「ノー・ディール」で、北朝鮮側は怒って席を立ってしまった。

これを受けて、北朝鮮は4月に朝鮮労働党中央委員会第7期第4回総会を開催。アメリカとの交渉期限を「2019年の年末」と一方的に区切った。そして翌5月以降、短距離弾道ミサイルの発射実験を再開させたのだった。

こうして、いよいよ北朝鮮が定めた「交渉期限」が迫ってきた。今月に入って、米朝の「舌戦」はエスカレートしている。

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