# 環境問題

グレタさんばかりが注目される「COP25」の日本人が知らない現実

国連事務総長は何に「失望」したのか
夫馬 賢治 プロフィール

「イノベーションだけ」では解決不可能

世界には、自主的に目標の引き上げを決定した国は、全部で84ヵ国ある。国連加盟国は200弱あるため、半数弱の国が自主的に引き上げを決めたことになる。

また、その中には2050年までに二酸化炭素排出量をゼロにすると宣言した国も72ヵ国ある。国連事務総長からすると、これらの国は「よくやってくれている」という評価となる。

一方、今回引き上げを宣言しなかった国には、中国、インド、ブラジル、日本などの国々がある。もちろん、これらの国もすでに大幅な削減を表明しているが、まだ2050年までにゼロにする準備ができていないのが現実だ。

 

そのため、COP25では、目標の引き上げを義務化することでは合意できず、自主的に宣言していくことを期待するにとどまった。ただ、これらの国々も、すでに設定している目標ですら、現状の経済活動を続けていては達成できないため、イノベーションと生活スタイルの変化が必要になる。

日本では、「生活の変化ではなく、イノベーションで解決すべきだ」という意見も上がっているが、もはや、生活の変化かイノベーションかを選択している場合ではない

自主的に2050年までに排出量ゼロを定めた国は、イノベーションに大きく期待し、背水の陣を敷くことで、国内産業にもイノベーションを強制していくことになる。

ただ、それでもゼロにはいかないかもしれないリスクが大きいので、省資源の話も含めざるをえなくなっている。