# 環境問題

グレタさんばかりが注目される「COP25」の日本人が知らない現実

国連事務総長は何に「失望」したのか
夫馬 賢治 プロフィール

世界の中で「浮いている」日本

今回のCOP25は、パリ協定が採択された2015年のCOP21(第21回会議)の続編だ。ただ、COP21とCOP25の国際会議としての位置づけは大きく異なる。

COP21は、京都議定書という前身の条約がほぼ「休業状態」となっていた中、新たにパリ協定という新条約を結び、気候変動というテーマでの国際的な合意を取り付けようという熱を帯びた場だった。そのため、各国から首脳級の政治家が多数来場し、企業、金融機関、NGOも経営陣がステージで声を震わせた。

 

それに対し、パリ協定が採択された後のCOP22以降の締約国会議(COP)は、国家間の細部ルール詰めの実務者会合の位置づけが濃くなった。

COP21パリ会議では、「企業も金融機関もいまやCOPに集結している」という報道が日本でも新鮮味を持って受け止められたが、時代はさらに動いており、国ではない企業や金融機関は、COPよりも、別途開催される国連気候アクション・サミットの方に関心を寄せるようになってきている。

今回のCOP25もCOP22からCOP24までで決まらなかった詳細ルールの残課題を片付ける実務者の会合となった。では何が決まって、何が決まらなかったのか。

気候変動を話し合う国際会議で「合意に至らず」と報じられると、「CO2の排出削減はやはり無理だよね」という空気を感じるかもしれない。今回、日本の政策が批判されるニュースが多く報道されたこともあり、「結局、日本だけじゃなくて、他の国も対応を渋ってるじゃないか」と言いたくなる人もいるだろう。

でも実際はそうではない。世界190ヵ国以上が二酸化炭素排出量を削減する目標を設定することも、発展途上国を先進国が資金・技術的に支援することも、支援の金額も、すでにパリ協定の中で決まっている。これについては揉めていないし、COP25で議論にすらなっていない。パリ協定の加盟国は、皆これを受け入れているからだ。

各国で定めた二酸化炭素の排出削減目標を達成するため、EUだけでなく、中国も、インドも、韓国も、ベトナムも、再生可能エネルギーへと電源をシフトさせるエネルギー計画を政府が決めている。なので、未だに「石炭火力発電を続けざるをえない」という話を日本政府がすると、ものすごく浮いてしまう。