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老化しない奇妙な生き物「ハダカデバネズミ」の驚くべき生態

老化が機能だったとは

病気にかからない

不老長寿。人類が長年思い描く夢を、すでに実現している動物がこの世にいる。その動物こそ、20世紀後半、東アフリカで発見された「ハダカデバネズミ」だ。

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このネズミは、餌が少ない過酷な乾燥地帯を生き抜くため、地下にトンネルを掘って生活している。こうした事情もあって、ほ乳類では珍しく、昆虫のアリと同様に、子どもを産む繁殖メスと、餌を集めて巣を守るワーカーに分業している。

だが、女王だけが長生きするアリと異なり、このネズミは、女王だけでなく、ワーカーも長寿なのだ。

なぜ、この奇跡が達成されたのか。その理由を探るには、まず、老化について考える必要がある。

 

意外に思えるが、実は、老化は生物が進化の過程でわざわざ手に入れた能力だ。単細胞生物は、細胞分裂をくり返すだけで、老いて死ぬことはない。しかし、生命が多細胞生物へと進化する過程で、老死の仕組みが作り出された。

動物は子どもを産み、その子どもがまた子どもを産んで、新しい個体に遺伝子が引き継がれる。世代交代を促すため、不要となった個体は老死するよう、仕向けられた。