Kiss(講談社)で連載し、新垣結衣と星野源によるドラマ化で一大ブームにもなった漫画『逃げるは恥だが役に立つ』。なんとこのドラマが、2019年12月28日(土)9時30分~、12月29日(日)13時~の2日間で、TBSにて全話が再放送される。しかもディレクターズカットが追加された特別版となっており、作品や登場人物たちの新たな魅力を発見することもできそうだ。キャスト陣による“恋ダンス”にも注目したい。

このタイミングで著者の海野つなみ先生のインタビューが実現! 今回はその内容をお伝えする。

院卒だが派遣切りをされ無職になった主人公・森山みくり(25)は、父のはからいにより、父の元部下で独身の会社員・津崎平匡のもとで家事代行業として働き始める。うまくいっていたものの、みくりの実家の都合で辞さなければいけない状況。お互いに現状を維持したいと考えたふたりは、就職としての結婚(契約結婚)を選ぶ――。

家事はあくまで「業務」の一環。平匡から報酬を得て家事を行い、親への挨拶など夫婦としての稼働が必要な場合は時間外手当も支給されるなど、現代の結婚の概念を大きく変えた作品として話題を呼び、第39回講談社漫画賞少女部門を受賞、新垣結衣と星野源の出演によるドラマは社会現象となった。

現在、漫画は続編として、本籍を入れた二人の夫婦生活、そして妊娠、と新たなるステージを連載中。前作では描かれなかった“男性の生きづらさ”もキーワードとなっている。

「女性の呪いを解いた」と称賛を浴びたこの作品はどのように生まれ、どのように育ち、そして今どのような方向に進んでいるのか。

インタビュー・文/園田もなか

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あくまで「お仕事」としての契約結婚

(C)海野つなみ 『逃げるは恥だが役に立つ』

契約結婚という設定や、それにともなう「家事の対価」問題をあぶりだしたことから、ネット上では度々“社会派ラブコメ”とも称される。しかし作品が生まれた経緯は、もっと素朴なものだったと海野氏は語る。

「次の作品は何を書こうかなと担当編集と相談してるときに、私がぽろっと『契約結婚ものなんてどうですか?』って言ったんです。そしたら担当編集が『いいですね、それ!』ってすごく食いついてきて。どうやら担当さんは、玉の輿にのるためにお金持ちの男の人と結婚をして、その後本当に相手のことを好きになってしまうような、少女漫画の王道ストーリーを想像していたようなんです。

でも、私は全くその気はなくて。あくまで『仕事としての結婚』というつもりでした。だから、極端なことを言えば、その後ふたりが恋愛関係に発展するかどうかも考えていなかったんです」