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「ジョンソン-トランプ」は「レーガン-サッチャー」を超えるか

圧勝したボリス・ジョンソンのこれから

ブリグジットはほぼ確定。その後は……

12月12日、英国下院(定数650)総選挙の投票が行われ、与党・保守党が365議席(67議席の増加)と過半数を大きく上回る議席を確保。逆に、第1野党・労働党は40議席減の203議席と惨敗であった。

この選挙結果により、ジョンソン首相率いる保守党が最大の争点としてきた、英国のEU離脱(ブレグジット)が2020年1月31日に実現することがほぼ確定した。

保守党は勝利を受け、10月のEUとの合意に基づくEU離脱協定法案を年内に議会に提出、年明けに通過させる予定だ。

 

ジョンソン首相は、「保守党の候補者全員が10月にまとまったEUとの合意を支持している」と述べており、以前のような議会採決での造反は出ないであろう。

労働党などの野党にはこれに対抗する手段はなく、2019年3月29日に3度目の否決が行われたブレグジットがようやく実現する見込みとなった。

2018年10月15日の記事「ブレグジッドは大正解 英国よ沈みゆくEUからいち早く脱出せよ!」で述べた様に、英国は一刻も早くEUから離脱すべきであったのだから、今回の選挙結果は喜ばしい。

また、EU離脱の是非を問う国民投票から3年半もかかったが、土壇場になれば国民が正しい判断を行える「英国の底力」を示したといえよう。

なお、現在の英国とEUの合意では、ブリグジット後のいわゆる「移行期間」は2020年末までだ。つまり、予定されているブリグジットから11カ月しかない。

一度大筋が決まれば、その後のことは迅速に決まるのが通例ではあるが、「全員一致主義」のEUとの交渉は、時間がかかることを覚悟しなければならない。もし、11カ月以内に英国とEUとのFTAなどの条約が結べなければいわゆる無秩序離脱になる。

しかし、心配は無用だ。9月18日の記事「ブレグジットの英国、やがて米国と『巨大経済圏』を作るかもしれない」で述べた様に、たとえ無秩序離脱ではあっても、EUから「脱出」することは英国にとってプラスなのだ。

安倍首相も、この選挙結果を受け、12月13日、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に関し、「英国がジョンソン首相のもと、加盟するならば心から歓迎したい」と発言した。

米国が交渉から離脱した後、安倍首相の外交手腕で残留した11か国をまとめたTPPだが、加盟国の中には英連邦の国々が多数あり、さらに米国が加われば世界のGDPの約40%を占める巨大な経済圏になるのは前記記事のとおりだ。

日・米・英3カ国が今後「自由主義、民主主義」陣営の3本柱になることはほぼ間違いなく、TPPを通じての大同団結が実現すれば、経済においても巨大な力になる。