住宅ローン「金利の低さ」だけで選ぶと、こんな悲劇が起こります…

ローンの借り方・金利の選び方のコツ
平井 美穂 プロフィール

住宅ローンの誤解(2)
みんな変動金利で借りている……わけではない

住宅展示場でローンの返済額を試算しようとすると、変動金利で計算されるケースが多くなっています。「みんな変動金利で借りてますよ」とお決まりのトークで積極的に変動金利をすすめる営業マンもいるようです。では、実際に借りている人たちが本当に選んでいる金利が何なのか、客観的なデータをもとに確認してみましょう。

住宅金融支援機構の調査では、2018年10月~2019年3月に住宅ローンを借りてマイホームを購入した人のうち、約6割が変動金利を選び、残りのおよそ4割が固定金利を選んでいます。2016年度には変動金利を選ぶ人が48%、固定金利を選ぶ人が52%で、この頃と比較すると、変動金利を選択する人はたしかに増えています。これは、2016年にマイナス金利が導入され金利先高観が後退した影響でしょう。

しかし、変動金利を選ぶ人が増えたとはいえ、今でも4割の人は固定金利を選択しているのです。みんな変動金利を選んでいるわけではありません。

 

固定金利か変動金利か、考え方の基準

将来の金利が予測できない以上、どちらが正解かは結果論でしか分かりませんが、今後のライフプランや家計の状況などによって「変動金利向き」か「固定金利向き」か判断することはできます。

〔PHOTO〕iStock

例えば、小ぶりのマンションを購入した新婚夫婦が、10年後には買い替えや実家で同居する予定があるといったケースでは、変動金利や10年固定金利などが向いているでしょう。10年後に売却資金で完済する可能性が高いローンの金利を、10年を超える長期間固定する必要はないからです。

あるいは、40歳で住宅を購入する会社員の人が、20年後には退職金や個人年金などまとまったお金が入り、その資金で完済するといった場合は、20年固定も選択肢の一つです。または、30歳で永住する予定の戸建てを新築した子育て中の夫婦が、敢えて繰り上げ返済はせずに35年かけて返済する計画ならば35年固定が向いているかもしれません。返済期間が長ければ長いほど、変動金利を選択するリスクは高まります(金利が大きく変動する可能性があるため)。今の「固定金利の低さ」と「変動金利のリスク」を天秤にかけた場合、“35年間金利を固定した方が得策”とする考え方です。

このように各家庭によって合う金利はまちまちであり、たとえみんなが変動金利を選んでいたとしても、自分たちにあてはまるかどうかは別問題でしょう。