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20年で市場規模3倍「図鑑」の人気が大復活している理由

2010年代「図鑑戦争」の内幕

クリスマスによく売れる子ども向けの本の代表格と言えば、図鑑である。

いま、図鑑のありようは、旧来の「動物」「恐竜」といったカテゴリー(ジャンル)別に写真やイラストを並べただけのものから多種多様なものへと変化し、市場としても2009年から大きく動いている。従来は小学校低学年を中心にした市場だったが、最近では下は就学前の幼児から小学校高学年まで、幅広い年齢層に受けるものも増えてきた。

 

テーマ型図鑑の元祖『くらべる図鑑』

きっかけは、小学館が2009年に刊行した『小学館の図鑑NEO+くらべる図鑑』が、シリーズ累計120万部におよぶ大ヒットになったことだ。

これは「身近なものから宇宙の果てまで、いろいろなものを比べることで新たな発見と驚きの扉を開く」ということがコンセプトの図鑑で「いちばん大きな動物は?」「いちばん速い乗り物は?」といった疑問に答えるスタイルで構成されている。

たとえば25メートルを泳いだら、バショウカジキが0・83秒でトップになり、意外にもアオウミガメがジェンツーペンギンとタイの2・50秒と健闘する一方、人間はトップ・スイマーでも10・13秒。

またたとえば、チーターの体長が140センチ、キリンが4・7メートル、アフリカゾウが7・5メートル、シャチが9・8メートル、ジンベエザメが18メートル、世界最大のシロナガスクジラは33・6メートル。これを絵にして並べることで、それぞれの大きさが一覧できるようにした。

「アフリカゾウと小学生の体重」、「世界で一番高い樹木と大阪の通天閣」、「ヒト、サル、ブタ、ヤギなど動物の歯を比べる」など、おもしろい取り合わせでの比較も特徴だ。

図鑑といえば、従来は「昆虫」「魚」「地球」などジャンル別に取り上げるのが主流だった。それを、テーマを一本に絞らずクロスオーバーなかたちにし、ひとつの見開きページにさまざまな情報を詰めこむユニークな編集手法で話題を集めた。

この『くらべる図鑑』をきっかけに、2010年代に入るとニュータイプの図鑑が次々と登場、それまで図鑑を出していなかった出版社も参入するなど活況が続いた。

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