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その「めまい」死に至る病の予兆かも…危険な症状の「ある特徴」

もっとも誤診されやすい身近な病気

高齢者の6割が経験するという「めまい」。ありふれた病気だが、実は、さまざまな大病の前触れとなっていた。死を避けるためには、めまいを制するのが不可欠。そのポイントを紹介しよう。

 

早く気付けば、生存率がガラリと変わる 

「1年ほど前のことです。毎朝の日課で近所を散歩しているときに、これまで感じたことのない、妙な異変に襲われました」

そう語るのは、中田勇作さん(仮名、68歳)だ。

「公園で一息つき、家に帰ろうと歩きだした直後、地に足がついていないようなフワフワするめまいが起きたのです。

その日は、疲れが原因かと思い、早めに休んだのですが、翌朝も治まっていない。雲の上を歩いているような感じがして、足元が覚束ないので、少し歩くのにも苦労する。

ほかには不調はなかったのですが、念のため、総合病院を訪れると、神経内科で検査を受けることになりました。すると、脳梗塞の前兆と言われる『一過性脳虚血発作』を起こしていると告げられたのです」

一過性脳虚血発作を放置すると、わずか48時間以内に7~10%の人が脳梗塞を発症すると言われている。

脳梗塞は、発症から4時間半以内に、血の塊である「血栓」を溶かす薬を投与すれば、一命を取り留め、半身不随などの後遺症も残らずに済む確率が上がる。

まして、血栓が詰まる前に、予兆に気付いて手を打てれば、その後の人生が劇的に変わることは言うまでもない。

自分の命を守るためには、脳梗塞のサインに一刻も早く気付くことが不可欠だ。そのとき、「めまい」は重要な手がかりとなる。

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くどうちあき脳神経外科クリニック院長の工藤千秋氏が解説する。

「脳梗塞のサインとして、呂律が回らなくなったり、片方の手足がしびれたりするということはよく知られていますが、実はこのとき、脳梗塞はすでに発症してしまっています。

こうした異変が起きるのは、血栓が脳の血管に詰まって、脳細胞が壊死しているからです。

一方で、めまいは脳梗塞の直前に起きる、いわば本当の『予兆』と言えるでしょう。血管に血栓が詰まりきる直前、徐々に血管が細くなり始めているときに起きるのです。

脳梗塞を経験した患者さんは、手足のしびれや舌のもつれが印象的なので、そればかり覚えていますが、よく思い出してもらうと、脳梗塞の3~4日前に、めまいがあったと言います」