東京五輪開会式の様子〔PHOTO〕Gettyimages

ドラマ『いだてん』は「明治人の気持ち」を追体験できる傑作だった!

最終回の「バンザイ」に感動…

「明治人」の物語

『いだてん』は異色の大河ドラマだった。

あまり偉人が出てこなかった。

敵は本能寺にありと叫ぶ武将は出なかったし、晋どんもうここらでよか、と言って切腹する軍人もいなかった。

 

オリンピックの話だった。

オリンピックを通して「近代の日本」が描かれていた。

ただ見終わって感じるのは、これは「明治人」の物語でもあった、ということだ。

〔PHOTO〕『いだてん』公式ホームページより引用

日本初めてのオリンピック選手の金栗四三。

東京五輪招致をやりとげた田畑政治。

そしてなぜか狂言回し役として毎回登場した古今亭志ん生。

彼らは明治の生まれである。

志ん生が明治23年、金栗が明治24年、田畑は明治31年の生まれ。

明治の半ば以降に生まれた「明治人」は、大正期から昭和期の激動の日本を眺め、支え、形作ってきた。

とくに物語の後半は「明治人の作った昭和」が全面に出てきた。軍事国家を作ったのも明治人なら、戦後日本復興の中心にいたのも明治人であった。あらためて、そうおもいいたる。

昭和39年の東京オリンピックあたりまで、明治人は元気だった。

メインの登場人物のなかでは、嘉納治五郎先生だけが少し古くて1860年万延元年の生まれ。明治マイナス8年。のこりの中心人物はだいたい明治生まれだった。若者は大正生まれが受け持っている。