高校サッカー選手権「J1チーム不在」の県がいま強豪の理由

変わりゆく高校サッカーの歴史と役割
小宮 良之 プロフィール

「高校時代、夏の練習はきつかった。体が壊れるんじゃないか、と思うくらいに走った。走る前は『そんなの無理』と文句を言うんやけど、先生がスタートの笛を鳴らすと、体にスイッチが入って動き出す。それで走り切れた。

最後は地面に転がって、空に万歳。その時が最高やった!終わった、乗り越えたなって思うと、力が自然に湧いてきた。

俺は体をいじめて、苦しんだほうがいい。サッカーの練習はガンガンやるべき。遠慮しとったら、うまくなれん。仲良しじゃ、チームも強くなれん。その考え方は今も変わらない」

大久保嘉人(Photo by gettyimages)

一種の理不尽を突き付けられる中、それを乗り越えることによって、肉体的に、精神的に強くなれる部分がある。ストライカーはエリア内では、問答無用の格闘技に近い。部活の“野生”で、点取り屋の土台が作り上げられるのか。戦えるベースが身についてないと、厳しいプロの世界では心からへし折られてしまうのだ。

今年の注目校は?

第98回目となる今年のセンシュケンは、12月30日に開幕。1月13日の決勝まで熱い戦いが行われる。

今大会は、インターハイ王者の桐光学園が、神奈川県予選で日大藤沢に敗退。高校生年代のナンバー1プレーヤー、西川潤が舞台に立つことはない。西川だけでなく、桐光は粒がそろっていたが……。

 

優勝本命は、昨年覇者である青森山田(青森)だろう。武田英寿、古宿理久のMF二人はJリーグ入りが内定。初戦、まずはJ内定者のいる伏兵、米子北(鳥取)を打ち負かせるか。同じブロックは、インターハイ準優勝の富山一、Jリーグ内定者のいる立正大淞南(島根)など強豪が密集している。

対抗は、インターハイでベスト4の尚志(福島)か。強豪、鹿島に入団が決まったFW染野唯月はケガで出場できないが、精鋭が揃う。6年連続11回目の出場で、前回はベスト4だった。

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