「私には家族の物語がない」フィンランド34歳女性首相、驚きの人生

レインボーファミリー育ち、小学生でデモ…
岩竹 美加子 プロフィール

「社会人」という概念がない

フィンランドでも、親の教育レベルと子どもの教育レベルは関連する傾向がある。マリンには、ロールモデルがいなかった。しかし、幼少時代から、将来は大学に行って勉強したいと思っていた。家族の中で、高校を卒業し大学に行ったのは、マリンが最初である。

中学時代の成績は振るわなかったが、ギリギリで高校に入学できた。フィンランドに受験はなく、中学の成績で進学先の高校が決まる。高校と職業学校、2つの選択肢があり、それぞれ約50%の進学率である。

2004年に高校卒業試験に合格。卒業後は、デパートやお店のレジで働いた。高校卒業後、すぐに進学せず、充電期間を設けたり旅行に行ったり、アルバイトで働いたりするのは、フィンランドでは珍しくない。

 

2007年、タンペレ大学に入学し、アルバイトをしながら勉強した。

フィンランドには、「学習支援」という制度がある。 給付型奨学金、学習ローン、家賃補助の3つから成り、国が17歳以上の人の教育を経済的に支援する。学習ローンは国が保証人なので、親や親戚が保証人になる必要はない。でも、マリンはお金を借りなかった。借金は返せないかもしれない、と思ったから。

大学では、地方行政学を専攻し、2017年に修士号を取得した。 フィンランドの大学は、学士ではなく、修士を取ることが目的である。卒業までに10年かかっているが、それは、特に珍しいことではない。マリンは、大学時代に活発な政治活動も始めていた。

フィンランドには、「社会人」という概念はなく、学生と社会人という二分化もない。その両方であったり、その間を行き来したりしながら暮らしていける。次に見るように、マリンの歩みは、その一例である。

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