サンナ・マリン氏〔PHOTO〕gettyimages

「私には家族の物語がない」フィンランド34歳女性首相、驚きの人生

レインボーファミリー育ち、小学生でデモ…

現職として「世界最年少首相」が誕生

2019年12月10日、フィンランドで34歳の女性首相が誕生した。

新首相のサンナ・マリンは、現職として世界最年少の首相である。

マリンは、5つの政党から成る連立内閣の第一党、社会民主党の党首でもある。5つの政党(社会民主党、左翼同盟、中央党、緑の党、スウェーデン人民党)の党首は全員女性で、年齢は32歳と34歳が2人、55歳が1人(註 スウェーデン人民党は、スウェーデン語を母語とする少数派フィンランド人の党)。この内閣を形成するのは、女性12人、男性7人の大臣である。

〔PHOTO〕gettyimages

若い女性の首相であることに加えて異色なのは、マリンが、母とその同性パートナーのレインボーファミリーで育ったことだ。7色のレインボーは、LGBT(レスビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスセクシュアル)のシンボルカラー。フィンランドでは、LGBTの家族、特にレスビアンとゲイの家族は、レインボーファミリーと呼ばれている。

これは、非公式な通称ではない。フィンランド社会保険庁は、「一人親家族」など4つの「異なる家族の形」を挙げている。レインボーファミリーは、その1つであり、公式な名称、分類である。

マリンは、雑誌インタビューで子どものとき、普通と違う自分の家族について話すことができなかったと語っている。マリンの子ども時代は、レインボーファミリーという名称はなかった。それは、まっとうな家族と見なされていなかったのだ。 

 

ちなみに、フィンランドで同性パートナー登録制度が始まったのは2002年。マリンが17歳のときである。18歳以上の同姓の2人が役所で登録、その関係を公式なものにし、財産と相続に関して異性婚と同じ法的な権利を得る制度である。

この制度は、2017年に同性婚が可能になったことによって廃止された。以前、パートナー登録をした場合は、そのままにしておいてもよいし、役所に通知して、パートナーの関係を婚姻関係に変えてもよい。

現在フィンランドで、同性婚は異性婚と並ぶ位置づけをされている。こうした変化は、2000年代になって起きたことである。マリンの子ども時代とは、社会がすでに大きく変わっているのだ。

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