特撮ヒーロー“伝説の俳優”と同姓同名の学者に届いた13歳からの手紙

誰かに助けを求めたい10代の気持ち
宮内 洋 プロフィール

あの子はどうしているだろうか

ごくたまに、8年前に手紙を間違って送ってきた中学生さんはどうしているのだろうとふと考えることがある。

中学校卒業後は、放送を勉強する学校に入学したのだろうか。それとも、専門学校ではなく、地元の高校に入学したのだろうか。それとも、他の道に進んだのだろうか。

8年後のいまはどうしているのだろうか。

高校を卒業した後に、専門学校に入学したのだろうか。それとも、短大に入学したのだろうか。それとも、大学に入学したのだろうか。いや、働いているのかもしれないし、そうではないかもしれない。初志貫徹で、現在は仮面ライダーの制作に携わっているのかもしれない。

どうであれ、彼女が中学入学後に様々なことがうまくいかなかったことはすっかり忘れていてほしいと思う。

 

10代の頃には、自分の思い通りにいかないことがあまりにも多いように感じられる。

年をとっていけば、自分自身の思い通りにうまくいくことなどほとんどないことを経験的に理解しているので、「まあ、こんなもんか」と仕方なく受けとめて、そのことで落ち込むようなことは徐々に少なくなってくるが、10代の頃はまだそういった達観した境地には至りにくいものだ。

自分の思い通りに物事は進むものだという少し偏った前提に立ってしまっていることも多い。さらに、人間関係のスキルもまだ上達していないので、周囲とぶつかることはあまりにも多い。そして、自分自身の感情さえも持て余しながら、なんだかよくわからなくなってしまう。

そんなこんなで、うまくいかないことばかりだと感じてしまいがちだ。一つのことがうまくいかないと、他のことまでうまくいかなくなったように感じられ、なんだかすべてがダメになったようで、絶望感に苛まれてしまう。