令和となり12月23日は祝日ではなくなった。2018年まで「天皇誕生日」だったこの日は、ご家族で上皇様をお祝いされるのだろうか。12月9日、雅子さまの56歳の誕生日には、天皇皇后両陛下の仲睦まじい姿が見られた。
12月3日より「週刊女性」にて、「皇后雅子さま~笑顔輝くまで」という漫画連載(月1回掲載)が始まった漫画家で小説家の折原みとさんは、連載開始前に資料をよみあさり、過去の動画もみまくっている。そして仕事、結婚、出産……女性が直面するすべてのことにおいての、「雅子妃の苦悩」には愕然としたという。FRaUWebでは、折原さんが漫画ではなく文章で雅子妃の状況を伝えていく連載第5回をお伝えする。
連載2回「雅子さまの心を動かした、皇太子のひたむきな愛」はこちら
連載3回「雅子さまを苦しめた国家的マタハラ」はこちら
連載4回「不妊治療に流産も…雅子妃出産までの「いばらの道」はこちら
雅子さまを苦しめた「心の病」
ご成婚から8年にわたる「お世継ぎ」のプレッシャーと辛い不妊治療を経て、ようやく愛子さまを出産された雅子さま。しかし、お世継ぎ問題は解決されなかったため、すぐに第二子を求められることとなった。
長年のストレスから、ついに雅子さまの心は折れ、長いトンネルの中をさまようことに……。
今回は、雅子さまを苦しめた「心の病」と、そんな雅子さま守ろうとした陛下の強い想いについて書いていきたい。
心と体の悲鳴
私たち国民が、初めて雅子さまのお身体の「異変」を知ったのは、2003年12月2日。愛子さま2歳の誕生日の翌日のことだった。
「雅子さまが帯状疱疹」
そんな宮内庁の発表をニュースで知っても、当初はさほど気に留めることはなかった。
ご存知の通り、「帯状疱疹」は、ストレスや過労で免疫が低下すると発症するウイルス性の疾患で、身体に赤い発疹ができてピリピリ痛んだり、熱が出たりする。罹患したことのある方も多いのではないだろうか。
雅子さまは12月4日に入院したものの、4日後には退院。東宮大夫は会見で、「雅子妃は翌年春まで公務をお休みになる」と発表した。
「公務と育児の両立によるお疲れ」
「精神的に衰弱しておられる」
そんな言葉にさすがに心配になったものの、まさかその時を機に、長い間雅子さまのお姿を見ることがなくなるとは……。私たちはまだ思ってもみなかったのだ。
実はその頃、雅子さまの精神状態は、かなりギリギリまで追いつめられていたようだ。すでに秋ごろからは、不眠や倦怠感、突然の動悸などの体調不良を訴えていたという。
しかし、東宮職には精神科の医師がいなかったため、雅子さまの訴えはスルーされ続け、専門医の診察を受けることはできなかった。帯状疱疹は、そんな雅子さまの心と体が発した「悲鳴」のようなものだったのだろう。