『こち亀』秋本治、40年も休まず週刊連載を続けた「スゴテク」

全200巻!本人に聞く
秋本 治

そんな僕にとって、週に1本連載を描くというのは本当に驚異的な仕事量で、食事もろくに摂らず、睡眠といっても机で30分ほど仮眠する程度。「このままだと体を壊してしまう」と考え、デビュー1年目に担当編集に相談したところ、この日までにネームを入れて、この日に仕上げるというような具体的なスケジュールを書いてくれたんです。

 

それに沿って計画的に仕事を進めたら、本当にその通りできた。つまり、時間を決めてしまうことで、ひとつの仕事にかける時間を切り詰められることが分かったんです。

時間を詰めるのが楽しくなってくる

―スケジュール管理を徹底することで徐々に仕事のペースが上がり、ついには週刊連載のストックが持てるまでになったという話は驚きでした。

時間を切り詰めるコツは「スケジュールは自分で決める」ことだと思います。ずっと僕は、『こち亀』の連載以外に読み切りが描きたかったんです。そのためには、読み切りに充てる時間を捻出しなければなりません。

年に1本読み切りを描くという明確な目標を実現するために、少しずつ週刊連載のスケジュールを切り詰めていきました。すると時間が詰められるのが楽しくなってくる。

個人で仕事をしていると、仕事のスケジュールは自分で立てられます。自分の仕事のスピードは自分が一番知ってますので、無理なく進められるんですね。

『こち亀』の連載終了後、4誌で同時に連載を始められたのも、スケジュール管理の賜物だと言えるでしょう。ちなみに、昔はスケジュール管理はずっと集英社の社員手帳を使っていました(笑)。

それに、休むのが怖かった部分もあります。本にも書きましたが、集中力を切らさないコツは、大きな仕事を終えた次の日も普通に仕事をすることだと思っています。

一度休んでしまうと、集中力が戻るまでに時間がかかりますよね。『こち亀』が終わったことに安堵し、1ヵ月でも休んでしまったらどうなってしまうのか想像がつきませんでした。だから、すぐに新たな連載に取り掛かったのです。