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【科学この日なんの日】量子力学を築いた天才シュレーディンガーが亡くなる

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

量子力学の基礎を構築

量子力学の基礎を築いたオーストリアの物理学者エルヴィン・シュレーディンガー(Erwin Rudolf Josef Alexander Schrödinger[墺]、1887-1961)が、この日、73歳で亡くなりました。

【写真】晩年のシュレーディンガー晩年のシュレーディンガー(1950年代後半ころの撮影) photo by gettyimages

1926年に発表した「シュレディンガー方程式」は、量子力学の最も重要な基礎方程式として有名です。また自らが提唱した「波動力学」が、ハイゼンベルグによる「行列力学」と同等であることを証明し、量子力学の論理的発展に大きく貢献しました。

これらの業績により1933年には、ポール・E・M・ディラック(Paul Adrien Maurice Dirac, 1902-1984)とともにもノーベル物理学賞を受賞しています。

1933年のノーベル物理学賞を受賞したシュレディンガー(左から2人目)とディラック(左から3人目)。左端は、ロシアの作家イヴァン・ブニン、右端は1932年のノーベル物理学賞受賞者、ドイツのヴェルナー・ハイゼンベルク photo by gettyimages

また、1935年に発表した「シュレーディンガーの猫」の思考実験は、「死んでいる状態」と「生きている状態」の重ねあわせという、量子力学の不思議な性質を表す例として広く知られています。

戦争に翻弄された生活

華々しい業績を挙げたシュレーディンガーですが、その研究生活は1930年代後半のナチスの台頭、そして第二次世界大戦に大きく翻弄されました。ベルリン大学から、イギリスのオックスフォード大学、アメリカ・プリンストン大学、オーストリアのグラーツ大学などを経て最終的にはアイルランドのダブリンへ亡命し、ダブリン高等研究所で研究を続けることになりました。

場の統一理論や、分子生物学など広い関心を持っていたシュレーディンガーは、戦後、オーストリアに戻ったのちにヒトの「精神」や「意識」についての研究にも取り組くんだそうです

1961年に73歳で結核で亡くなった彼のお墓には、自らが提唱したシュレディンガー方程式が記されています。

シュレーディンガー方程式が記されたお墓 CC BY-SA 3.0

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