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トヨタ、キリンが「中途採用者」を大切にするワケ

さらば、終身雇用と年功序列

激しいグローバル競争を戦っている日本の大手メーカーが、いま続々と、これまでの常識をくつがえすような抜本的な「雇用改革」に着手し始めたことにお気づきだろうか。トヨタが中途採用を増やし、キリンが外部人材を抜擢するなど、新しい人事施策が次々に打ち出されているのだ。

「日本における新卒一括採用の重要性は次第に薄れていき、大手企業を中心に中途採用の割合が5割を超えてくる」と指摘するのは、『定年消滅時代をどう生きるか』の著者で経営アドバイザーの中原圭介氏だ。日本型雇用の代名詞であった「年功序列」や「終身雇用」が崩壊していく予兆だ――そう語る中原氏が、トヨタ、キリンなどの大企業で始まった雇用改革の最前線から、日本でこれから起きる雇用激変時代のリアルについて緊急レポート!

 

トヨタが中途採用を増やすワケ

トヨタは技術職や事務職を含む総合職の採用において、中途採用が占める割合を2019年度に2018年度の1割から3割に引き上げるといいます。中長期的には5割を中途で採用する方針だということです。

中途採用では職務における能力や成果によって評価が決まり、それによって給与や待遇を柔軟に見直す仕組みが取り入れられます。

トヨタが中途採用を増やす背景には、自動運転やシェアリング、電気自動車化といった対応を迫られていることがあります。

すでにトヨタ本社に先行して、自動運転技術の開発子会社である「TRI─AD(トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント)」では、新たに採用する社員の半数以上は海外から来ているといいます。ITやAI、画像認識など専門性の高い人材を中心に採用しようとしたら、海外の人材に依存する必要性を余儀なくさせられるからです。

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ホンダや日産など、その他の自動車メーカーも、トヨタが掲げた新しい採用の方針に追随する見通しにあります。

日本の大企業が基本的に保守的な経営であることは誰もが知っていることですが、その代表格であるトヨタが変われば日本の大企業全体が変わるといわれているように、トヨタが中途採用を5割にする方針を表明したのは、これまでの日本型の雇用が大きな転換の時期を迎えている証左であると捉えることができます。