# 本 # 歴史

なぜ織田信長は「日本人に最も愛される偉人」となったのか

703名の“信長”を調べて分かった
姫川榴弾 プロフィール

日本人が信長を好きになる理由

信長名鑑(しんちょうめいかん)』とは、アニメ・ゲーム・漫画・ライトノベルなどを中心に、織田信長、そして織田信長をイメージしたキャラクターがどのような姿で、どのような役割を持ち、作中に登場するのか記した評論本となっている。

約3年間の調査の末、調べ上げたのは、織豊時代から2019年夏までの肖像画から最新のスマホゲーム、バーチャルYoutuberまで、そして児童向けから成人向けまで、少年向けバトルアクションから少女向け恋愛ものまで、対象年齢・性別、ジャンルを問わず585作品703名。歴史上の織田信長の一代記『信長公記(しんちょうこうき)』を執筆した、織田信長の家臣・太田牛一もビックリしてしまう数ではないだろうか。

 

筆者は、500作を超える織田信長登場作品を調べているうちに、あることに気がついた。

「あれ、みんな織田信長のこと大好き?」

たとえ好きでなかったとしても、興味があることは確かだろう。その理由をいくつか考えてみた。

織田信長は古くから、非合理的な風習・考え方を嫌い、理に適うことを第一に改革を努めたイメージを持つ。子供のころ、「なぜ」という疑問に対し、大人たちに「そう決められているから」「みんなやっているから」とお茶を濁す返答でごまかされた経験を持つ者にとって、実に痛快に映ったはずだ。

Photo by iStock

そして強さ。ぎりぎりの状態から尾張の内乱に勝利し、強豪今川から武田まで下していく様は少年漫画のヒーローを見ているような興奮を覚える

最後に織田信長の存在を最も印象づける「本能寺の変」。天下まで後一歩のところで歴史の表舞台から姿を消してしまう儚さが、織田信長の存在を際立たせている

もし織田信長が生きていたら、後の日本はどうなっていたのか妄想が膨らむ。戦乱の時代は終わったのか。それとも世界各地と戦争を行ったのか。もしくは大海洋国家となったのか。未完で終わったがゆえに、様々な想像・解釈する余地を残した

歴史上の人物でありながら、フィクションのキャラクターのような史実・逸話が残されている織田信長。今や日本人どころか、漫画・ゲームの影響で世界中にファンや興味を持つ者を増やし続けている。