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「階級」から「世代」へ…イギリス社会の対立構造が変化している

「合意なき離脱」の危機?それよりも…

歴史的勝利と、変わり身の早さ

12月12日投開票のイギリス総選挙は、与党・保守党の「歴史的勝利」に終わった。

ジョンソン首相は、イギリスの欧州連合(EU)離脱への「新たな力強い信任」だと表明し、いわゆるブレグジット問題をめぐる国内論争に最終決着をつけたとの立場だ。

確かに、2度目の国民投票の余地はなくなった。

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一方で、ジョンソン首相は選挙結果を受けて早くも中道路線への転向を示唆し、変わり身の早さを示している。

懐疑的な見方が多いものの、筆者は、EU離脱問題でも柔軟路線に転じると見ている。

状況の変化に応じて柔軟に対応する姿勢こそ、保守党がイギリス政治を長く支配してきた所以である。

 

ジョンソン氏は、労働党が圧倒的な強さを見せるロンドンで、市民の支持を集めて2期(08~16年)市長を務め上げた政治家である。

市長時代は移民・難民問題にも寛容だった。

ファクトを重視しないポピュリズム的な言動で印象付けられてはいるが、社会政策面では進歩的な実績も残しているのである(それが政治信条に基づくものなのか、打算なのかは分からないが……)。

先に「変わり身の早さ」と書いたが、ジョンソン氏は今年7月の首相就任以来、極めて戦略的にコマを進めているのを見落としてはならない。

そして、その戦略に沿ったブレのなさこそが、今回総選挙の勝利を導いたように見える。

以下に、その一端を示す。