子どもを一瞬で感動させる「科学手品」の裏で働く「ある定理」とは?

種も仕掛けも、科学法則でございます!
後藤 道夫, 竹内 淳 プロフィール

お待ちかねの種明かし!

今回紹介した手品3点に共通する科学法則は「ベルヌーイの定理」というものです。みなさんにとって馴染みのない言葉かもしれませんので、簡潔に説明しましょう。

ベルヌーイの定理を発表したダニエル・ベルヌーイ Photo by Getty Images
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ベルヌーイの定理とは、「空気の流れが速くなると、流れに垂直な方向の気圧が下がる」というものです。まったくもって意味がわからないという方は、先に紹介した手品を思い出してみてください。

 

最初に「吹くと近寄っていく紙」を紹介しましたね。この手品は、2枚の紙のあいだに思いきり息を吹き込むことで、その部分の圧力が下がり、紙が外側からの大気圧に押されてくっつくことが種となります。この手品は、空気の流れが速いところでは圧力が下がるベルヌーイの定理に基づいて考案されました。

次に「ストローの中を回る糸」を紹介しました。ストローを吹くと、風はストローの中を勢いよく走ります。そのときストローの底につくられた穴の付近の気圧は下がり、穴を通して軽い糸は中に引き込まれます。これも、ベルヌーイの定理によるものです。風が連続的に通過することにより、糸は円を描いて回転します。

最後に「吹いてもひっくり返らない名刺」を紹介しました。これも、気流の速いところほど気圧が下がるというベルヌーイの定理が基になっています。コの字形に開いた部分に勢いよく息を吹き込むと、名刺の外側の大気圧が大きな力となって名刺を押すので、名刺は動くことができないのです。

このように、科学手品は「種はなんだろう?」と知的好奇心を刺激する一方で、難解で抽象的な科学法則を具体的に理解する手がかりにもなるのです。『子どもにウケる科学手品 ベスト版』では、ベルヌーイの定理についてより詳しく解説してありますので、気になる方は直接確認してみてください。

ベルヌーイの定理は飛行機を飛ばす

2つ目の手品にてちらっと紹介した「ベルヌーイの定理が飛行機を飛ばす」ことについても説明しましょう。