自然の色の美しさ

日本では黄色は、菜の花やたんぽぽなどに代表される春の訪れを告げる花の色です。そして、ややオレンジみを帯びた山吹の花とともに、季節が春から夏へと移り変わっていきます。山吹色はあたたかみがあるので、平安時代の貴族たちは冬の着物に取り入れるのを好んだ言われます。

皇后になられて最初のお誕生日にお召しになったスーツは、光沢によって華やかなゴールドに見えますが、錦繍の華やぎに彩られた野山の情景から写しとった彩りのようにも見えます。

写真提供/宮内庁

現代の日本では、12月になると、全国各地でクリスマスイルミネーションが点灯し、さまざまな光の色が街中を照らします。ゴールドのようなベージュのような彩りは、国民を照らす光であると同時に、自然の色の美しさを尊んできた日本ならではの彩りのようにも思えます。

季節感のある色を身につけることは、愛子さまのファッションにも受け継がれています。愛子さまのお誕生日は12月1日。令和元年、18歳のお誕生日の映像では、紅梅色のブラウスにオフホワイトのスカートという着姿でした。紅梅色と白の組み合わせは、平安時代のかさねの色目にあり、春を待ち焦がれる冬に着用するのがおしゃれとされていました。

写真提供/宮内庁

誰もが自由にファッションを楽しめる現在の日本において、雅子さまや愛子さま、そして、天皇陛下のファッションがこれほどまでに注目されるのは、私たちの感性に響く色を選ばれているからなのかもしれません。