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オフィス空室率、マンション契約率はマユツバ?「不動産」数字の罠

実態はこんなに違う?
人口減少、供給過剰、信用収縮……転換期を迎えている不動産業界。これからの時代を生き残るには、今の常識をアップデートする必要がある。不動産コンサルタントで、新刊『不動産2.0』を発表したばかりの長谷川高氏は、「オフィス空室率」「マンション契約率」「公示地価」といった数字が、必ずしも実態を反映していないと指摘。知られざる「数字のカラクリ」を暴いてもらった。

「オフィス空室率」の罠

まずは「オフィス空室率」です。みなさんも、「オフィス空室率が下がってきた」「オフィス空室率が2パーセントを切った」といった報道や記事をご覧になったことがあると思います。オフィスの需要は極めて活発で、貸しビル業者はおしなべて景気がいいといった印象を受けることと思います。

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ところが、この統計の対象になっているのは、いずれも大型ビルなのです。地域によって異なりますが、数値の出所を探っていくと、おおむね1フロア100坪を超えるような大型ビルだけを対象にしていることがわかります。

つまり、報道で発表されている「オフィス空室率」は、大都市の大型ビルの空室率を表しているにすぎず、1フロア10~50坪程度の中小規模のビルは、調査の対象にすら入っていないのです。

 

地方だけでなく、東京中心部の有名なオフィス街でも、中小規模のビルの場合、3割から5割が空室というケースも少なくありません。

実際に、オフィス街をテナント看板を見ながら、注意して歩いてみると、そのことがよくわかります。空室のためにテナント看板が白地になっていたり、「テナント募集中」という看板が掲げられたビルがいかに多いことか。きっと驚くと思います。

東京中心部でさえ、一等地の表通りに立つビルをのぞけば、テナント誘致に苦労しているのが現実です。空室に悩むビルオーナーは数多く存在しています。この事実は、新聞発表の数値からは決して見えてきません。