小泉進次郎環境大臣の「ポエム」が、ついに国益を損ない始めた

背景にある、政治家と官僚のレベル低下
松岡 久蔵 プロフィール

背景には記者クラブ制度の「甘やかし」

日本政府の対外的な情報発信能力の低さは、政治家が全くその訓練をされていないことが大きい。

彼らを甘やかしているのが、実は記者クラブ制度が生み出した「特殊な記者会見のあり方」であることは、あまり知られていない。あるフリーのベテラン政治記者はこう話す。

「記者クラブ主催の会見では、広報を通じて事前に質問内容を教えることが通例です。この慣例は官僚の『実務が分かっていない政治家が抜き打ちの質問にまともに答えるなんて不可能だし、無用な混乱は避けたい』という政治家蔑視と、政治家の『どうせ数年しか役職にいないし、紙を読むだけのほうがラクでいい』という甘えが一致して成り立っています。大臣は官僚が作る『満点』の解答用紙を朗読するスピーカーになるだけでいい。

当たり前ですが、こんな馬鹿げたことがまかり通るのは日本だけ。記者会見とは、国民の代表たる記者が権力と直接対決する場という認識が国際スタンダードですから、その使命を果たそうとしないメディアは、国民の知る権利を侵害しているとみなされます。

海外メディアの記者は契約制が多く、ぬるい質問をしていたらすぐクビになるため真剣さが違うのも、サラリーマン化した日本の大手メディア記者とは違います」

 

実際に、各大臣は毎週火曜日と金曜日の午前中に閣議後記者会見を開くが、大部分は大臣が机の上のペーパーを見て発言し、想定外の質問があれば秘書官が分厚いバインダーを手に走り寄り、該当箇所を指し示すというコントのような光景が日々繰り広げられている。

自分で答えられなくても、官僚に「振り付け」してもらえるのだから大丈夫──たいていの政治家は自分で考えることをやめ、役所のいいなりになってゆく。

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