小泉進次郎環境大臣の「ポエム」が、ついに国益を損ない始めた

背景にある、政治家と官僚のレベル低下
松岡 久蔵 プロフィール

外務省の「怪文書」が海外で…

今回の小泉氏の演説は、彼のブログにも書いてある通り、環境省だけでなく経済産業省、外務省とも打ち合わせて生まれたもので、文字通り「日本政府としての発言」だ。小泉氏の演説の問題点は、日本の問題点だとも言える。

ここ最近、日本政府の情報発信と国際常識の「ズレ」が顕著になってきている。今年11月2日には、外務省が旭日旗に関する政府の立場を説明するために、英紙「ガーディアン」に掲載した投書が「怪文書」と言われて物議を醸した。

 

問題の投書は「旭日旗は軍国主義の象徴ではない」とのタイトルで外務省広報官の名義となっており、同紙の旭日旗批判記事に反論する内容となっている。以下、要点を翻訳する。

「ガーディアンの記事は、真摯に過去と向き合ってきた日本を誤解したものだ。

安倍首相の終戦70周年声明にもあるように、日本はこれまでも歴史に向き合い、謝罪と遺憾の意を表明してきた。旭日旗を軍国主義の誇りと結びつけるのは間違いで、出産や季節の行事などに広く使われてきた。政治的な意思の表明でもないし、軍国主義を表すものでもない。

海上自衛隊も旭日旗を使っており、最近では中国やシンガポール、ミャンマーなどの港にも旭日旗を掲げた艦艇が入港したが、それらの国々からは何の反発もない。韓国の釜山港に海上自衛隊が1998年と2008年に入港した時も何の反発もなかった。

第二次世界大戦から70年以上経過するが、その間に国際社会からは何の反発もなかった。反発の多くは政治的意図によるもので、特に近年の韓国が生み出している。東京五輪がこのような政治的計略に利用されるべきではない」

この投書の論理構成も、小泉氏の演説と本質的には同じだ。普通なら、「旭日旗が軍国主義の象徴ではない理由」を述べるところ、いきなり「安倍首相も言っているが、日本はずっと謝ってきた」と入り、「日本人の生活にも根ざしているし、国際社会からも反対されていない。政治的意図を持つ韓国だけが反対しているのだ」と、明確な論拠がない。

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旭日旗が軍国主義の象徴ではないと言うには、あまりにお粗末だ。「私たちは謝ってるんです!悪いのは韓国なんです!」とまくし立てたところで、欧米の読者を納得させられるはずもない。

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