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2020年、イギリスとEUが直面する「難題」

日本との関係はどう変わるのか

EU離脱の民意

12月12日の英国総選挙は保守党の圧勝で終わった。

ボリス・ジョンソン首相は、10月17日の新たな英EU合意(離脱協定と政治宣言)という具体的な交渉成果と、これまでの緊縮財政を転換して医療や教育などで公共支出を拡大する公約を武器に、有権者の信任を得ることに成功した。

これで、離脱協定に基づく2020年1月末の秩序あるEU離脱は確実となり、北アイルランド国境問題や離脱清算金も解決されてEU側も歓迎している。

ボリス・ジョンソン首相〔PHOTO〕gettyimages
 

グローバル・ブリテン?

しかし、本当の正念場はこれからである。

英国はグローバル・ブリテンをめざして、米国(英国貿易の対米比率は輸出19%、輸入11%)や中国(英国貿易の対中比率は輸出4%、輸入7%)などとの野心的な自由貿易協定(FTA)交渉をすぐにでも開始しようとするだろう。

EUが締結しているFTAを、離脱後の英国に「付け替え」する交渉もある。70のFTAのうち、スイス、韓国を含む50の「付け替え」作業は完了しているが、日本、カナダ、トルコなどとの20のFTA(英国の物品輸出の約8%、輸入の約7%を占める)についてはまだ終わっていない。

人口6600万人の英国がEUを離脱した後に、単独で他国とどこまで有利な条件でFTAを締結できるのかという不安がつきまとう。

対EU関係抜きでグローバル・ブリテンの実現は不可能である。

2020年末までEUとの現状が維持される移行期間内に、将来関係協定の交渉を行い、通商をはじめとする経済および安全保障・治安面のパートナーシップを確立するという課題が待ち構えている。

なかでも、最大の交渉テーマは、英国がEUの単一市場と関税同盟(英国貿易の対EU比率は輸出45%、輸入53%)から離脱することに伴う経済的悪影響を、EUカナダFTA(CETA)をモデルとする包括的なFTAにより最小限に抑えることである。