現在外資系投資会社に勤務する川村真木子さんは、UCバークレー卒業後、長く外資系投資銀行でマネージングディレクターとして活躍してきた「バリキャリ金融女子」。現在高校生のお嬢さんがいるワーキングマザーでもある。

実は最近再婚し3人家族になったが、シングルマザーとして長く子育てもしてきた。金融から政治、スポーツに生活まで本音を鋭く語る「長文社会派インスタ」が人気の川村さんだが、何度も涙を流したという。それは――。

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大事な出張と娘の最後の試合が重なった

15年間、外資系投資銀行という生き馬の目を抜くほど忙しい職場で働きながらシングルマザーとして子育てをした私が涙なくして語れないエピソードがいくつかあります。

一つ目は娘が中学生の頃。比較的最近の話です。「バレーボールの大事な試合があるからどうしても観に来て欲しい」娘に懇願されました。しかしこの日は大阪出張があって朝からアポがギッシリ。ドタキャンすると投資家に迷惑がかかるだけでなく、この大阪出張のために会議を重ねて資料を準備してくれたチームメンバーにも多大な迷惑がかかります。ですが、娘の尋常ではない雰囲気を感じとったので、思い切って出張をキャンセルする決断をしました。

一件一件の投資家に電話し、事情を説明して理解していただきました。何とか調整を終え、「今季最後の大事な試合」ということで我が家から1時間ほどの場所にある試合会場に駆けつけましたが、なんとこの日娘は出番がありませんでした。はじめはベンチから元気よくチームを応援していた娘でしたが、中盤から心配そうな表情になり、観客席の私の方をチラチラ見ては不安な様子。とうとう試合終了まで一度もコートに立つことはありませんでした。

試合が終わるとトイレに駆け込んで泣いてしまった娘。付き添ってくれたお友達が私のところに来て「今、お母さんに会えないので先に帰って欲しいそうです」……泣いてはいけないと思いつつ、帰宅するタクシーの中で涙が溢れました。

もし、私がいつでも試合を観に行けていたら

もし私が働いておらず、普段から試合を観に行ける母親だったら、娘をこんなに傷つけることはなかったでしょう。スタメンではないので試合には出られる時も出られない時もあります。ただ、ここ数回は毎回出る場面があったようで、娘はこの最後の試合に向けて毎晩遅くまで練習を重ねていました。また、娘は私がこの試合を観にいくために、大阪出張をキャンセルして無理してやってきたのをよく分かっていて、それなのに出番がなかったことに深く傷ついたのだと思います。

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どうして普段からもう少しでも無理して観に行ってあげられなかったのか…自分を攻めました。誰も悪くない、でも途方もなく哀しい。子育てで忘れられないエピソードの一つです。