25歳で乳がんを患った元SKE48が真剣に考えた「妊孕性」について

卵子凍結、乳房再建、そして…

元SKE48の矢方美紀さんは、25歳で乳がんの宣告を受けた。現在も治療を続けながら、声優の夢に向かって邁進している。その彼女の日常を描いたエッセイコミック『27歳のニューガンダイアリー』が『コミックDAYS』にて連載中だ。がんの告知から現在に至るまでの闘病の軌跡、若い女性だからこその葛藤や不安について語ってもらった。

治療が終わるのは9年後

石のようなこの塊は、なんだろう――。
矢方さんが左胸に違和感を覚えたのは、2017年末のことだった。

「その年、小林麻央さんが亡くなられ、乳がんのことが気になり始めていました。ある日、ふと思い立ってセルフチェックをしてみたら、左胸に石のような固いものがあるのに気づいて……。その時は、まさかがんとは思わず、『そのうち消えるだろう』なんて軽く考えていたんですが1週間たってもまだ消えていない。検査に行こうと思いながらも、仕事が忙しく、なかなか検査予約が取れなかったこともあって、放っておいたんです」

 

しかし、友人にそのことを話したところ、「すぐに検査するべき」と諭され、病院へ。検査を受けたところ、ステージ1の乳がんだと判明。さらに大きな病院でより詳しい検査を受け、脇のリンパにも転移があり、ステージ2bと診断された。

「乳がんの告知を受けた時は、まさか私が……と、頭が真っ白になりました。ただ、ショックや恐怖はありましたが、それ以上に不思議な感じがしたんです。痛みもなく、自覚症状がないのに、体内では、がんが大きくなって転移したりしている。医師の説明を聞きながら、これが実際に自分の身体で起こっているんだという現実感がありませんでした」

翌2018年の4月に手術を受け、左乳房を全摘出。その後、抗がん剤治療を4ヵ月、放射線治療と、いわゆるがん標準治療をひととおり経験。現在も注射と薬によるホルモン療法を続けており、治療が終わるのはあと9年後の予定だ。

今や3人に1人ががんになる時代。誰もが無縁ではない病気だからこそ、がんの治療に関しては様々な情報が溢れている。なかには、科学的根拠がまったくないものもあるが、こういったものでも藁にもすがる思いで飛びつきたくなる患者がいることもまた事実だ。

しかし、矢方さんは標準治療を選択することに迷いはなかったという。

「病気を公表した後、がんに効くと謳っているサプリメントや水などを送ってくれた方もたくさんいました。応援してくださる思いはとても嬉しかったのですが、標準治療を頑張っていこうと決心していたので、お気持ちだけありがたく受け取り、目の前の治療に専念したんです」