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任天堂が「リアル店舗」へ力を入れ始めた理由

渋谷パルコ出店が意味するもの
田下 広夢 プロフィール

ゲームのファングッズといっても、商品は非常におしゃれなデザインが多く、ゼルダの伝説のネクタイは一見するとゲームグッズとは分からない渋い作りで、普段使っても違和感なく、どうぶつの森シリーズのキッチン用品などは、ゲームファンでなくても思わず手に取りたくなるかわいさです。入店人数に制限をかけている為、入るには並ぶものの、入ってしまえばゆったりと買い物を楽しむことができます。

 

「ゲーム人口の拡大」を掲げて

さて、任天堂が直営店を、しかも渋谷パルコに出店したということは、非常に大きな意味があります。

そもそも、かつてゲームは、世間一般の認識として、子どもの玩具、あるいは一部マニアな大人が遊ぶものでした。ゲーム業界的に大きく流れが変わった最初の出来事はソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)の参入、PlayStationの登場でしょう。

誰もが知るオーディオ・ビジュアルメーカーのソニーがゲームに参入、ラップを使ったリズムゲームの「パラッパラッパー」や、リアルな車が登場するドライビングシミュレーションの「グランツーリスモ」などが一世を風靡し、多くの人の中で、ゲームが子どもだけでなく、大人も遊ぶものとして認識されていったと思います。

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その後、任天堂が発売した携帯ゲーム機、ニンテンドーDSはタッチパネルを使って、ゲームのボタン操作になれていない人にも遊びやすくなり、「東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング」が高齢者層にヒット、「おいでよ どうぶつの森」の大ヒットは女性層のユーザーを大きく増やしました。この時から、ゲームを遊ぶ層は劇的に広がっていき、いまや、大人がゲームを遊ぶことは珍しくもなくなりました。

任天堂はタッチパネルを採用したニンテンドーDSの頃から、基本戦略として「ゲーム人口の拡大」を掲げています。渋谷パルコに直営店が誕生し、しかもそこに老若男女を問わず、国内外の客層が集まっているとなれば、任天堂がゲーム人口の拡大路線に成功したことを象徴していると考えられるでしょう。