【イギリス総選挙】保守党圧勝も…「EU離脱問題」はまだ終わらない

「まだ離脱していないの?」と聞かれて
小林 恭子 プロフィール

しかし、これではコービン党首が、そして労働党が離脱派なのか、残留派なのかがわかりにくい。

また、「再度の国民投票」は、実は離脱に投票した国民からすると、究極の御法度である。「馬鹿にするな!」という思いである。

というのも、もしまた国民投票をやるのなら、前回2016年の国民投票は意味がなかったということになる。たとえ僅差でも離脱派が勝ったのだから、離脱票約1700万人の声を無視することになる。再度の国民投票は、離脱派国民からすると、絶対にやってはいけないことなのである。

再度の国民投票を公約の中に入れたコービン党首は、この時点で既に、離脱を選んだイングランド北部の有権者に見放されていたのかもしれない。

 

さらに、党内最左派コービン党首が率いる労働党の公約は国民医療制度「国民保健サービス(NHS)」の充実化、社会格差の是正といった歓迎するべき政策と同時に、サッチャー政権時代に民営化された産業を国有化するといった、時代を逆にするような政策が入っており、警戒感を持たれてしまった。

右派系メディアが党内の「反ユダヤ主義」(ユダヤ人差別)についての虚実入り混じった話を執拗に書き立てたこともマイナスとなった。

コービン党首は、12日、党首辞任を表明した(いつ辞任するかは明らかにしていない)。後任には残留支持・中道派の人物の名前が挙がっている。