【イギリス総選挙】保守党圧勝も…「EU離脱問題」はまだ終わらない

「まだ離脱していないの?」と聞かれて
小林 恭子 プロフィール

メイ案がダメなら、どんな離脱案が良いのか?

ここで、イギリスが世界に誇る議会は空転を続けた。

少しずつ条件を変えた離脱協定案を下院に出してみると、どの選択肢でも議員は一つにまとまることができなかった。ただし、何の条件もつけず、いわば「崖から飛び落ちるように」きっぱりと離脱してしまう場合(「合意なき離脱」)を避けるという法案だけは多数の議員が賛成票を投じた。

議員たちは「この案は嫌、この案も嫌……」という風に何が嫌かは示せるのだが、「こうしたい」という道筋が見えてこない。

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そうこうしている間に、力尽きたメイ首相が6月、辞任。

次に首相になったのは、テレビのお笑いクイズ番組で人気を博した、ボリス・ジョンソン元外相、元ロンドン市長であった。国民投票のキャンペーンでは「イギリスを国民の手に取り戻そう!」と呼びかけて、有権者の心をわし掴みにした人物である。

しかし、堂々巡りの議論に終始する議会を長期強制閉会してしまうなどゴリ押し手法が反感を生んでゆく。首相の手足を縛るような法案に賛成した議員を与党・保守党から追放したことで、下院解散時には300議席を切るところまで議席数を減少させていた。

EU側と新たな離脱協定案をまとめたジョンソン首相は、単独過半数の獲得を目指し、総選挙に打って出た。