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【イギリス総選挙】保守党圧勝も…「EU離脱問題」はまだ終わらない

「まだ離脱していないの?」と聞かれて

「ブレグジットを実現させよう!(Let’s Brexit done!)」――ジョンソン英首相が繰り返したこのフレーズが、英国民の心に深く響いた。

12日に行われた英下院(定数650)総選挙で、与党・保守党は過半数(326議席)を大きく上回る365議席を獲得し、ブレグジット(英国のEUからの離脱)実現に大きくはずみがついた

ポンドも急上昇だ。離脱の是非を決めた国民投票から3年半を数え、悪夢のような「決められない」状態から、英国は抜け出せるのか。

ジョンソン氏が率いる与党・保守党が総選挙で勝利する見込みを伝える写真を掲載した、英フィナンシャル・タイムズのウェブサイト
 

「なんだ、まだ離脱していないの?」

イギリスに住む筆者は、欧州大陸に住む友人たちから何度もこう聞かれたものだ。離脱の国民投票から何年も経つのに、離脱の目処が立たないことを面白がるような口調である。他人の不幸は、いつでも面白おかしいものなのだ。

国民投票では離脱支持と残留支持が拮抗し、多くの人が「最後は残留が勝つだろう」と思っていたところが、離脱派の勝利。それも離脱票約52%対残留派約48%の僅差である。残留派はこんな僅差で将来が決まってしまうことに、憤懣やる方ない思いを抱いたようだ。

しかし、今では、残留派も含めほとんどの国民が「早く、なんとかしてくれ」と思うようになった。

「なんとかしてくれ」というのは、離脱する、ということは決まったものの、「どうやって離脱するか」を決めることができなかったために、今日までぐずぐずと、先行き不安のまま日々が過ぎてしまったことへの焦燥感だ。

離脱派の政治家たちは、一刻も早くEUから抜け出して、世界中の国々と自由貿易協定を結び、世界を相手に大発展するイギリス……というイメージを描いていた。そこで、いわば「離婚の相手側」となるEUと、通商交渉を行いながら、次は世界に……というつもりだった。