米軍がルーマニアに配備しているイージス・アショア

イージス・アショアに町を滅ぼされる…山口県阿武町の住民の「怒り」

現地ルポで見えた、あまりの理不尽さ

配備が予定される地元の反発を招いている地対空迎撃システム「イージス・アショア」。河野太郎防衛相が「ゼロ・ベース」での再検討を指示したことを受けて、秋田市の新屋演習場への配備は「見直し」と報道される一方、山口県萩市のむつみ演習場への配備は「現状維持」と伝えられ、明暗が分かれた。

そこで、実際にむつみ演習場にイージス・アショアが配備されれば、レーダー波(電磁波)をまともに浴びかねないレーダー正面にある町の阿武町に入り、問題点を探った。

 

グーグル・アースで場所を決められた

「見た通り、イージス・アショアが置かれる予定の東台より、高いのがわかるでしょう」

案内してくれた萩市議の宮内欣二さんは、むつみ演習場の目の前にある小高い丘、西台を指さした。

防衛省がイージス・アショアの配備を計画する、むつみ演習場のある丘・東台側から見渡すと、確かに西台の方が高く見える。事実、東台は標高539・2メートルなのに対し、西台は570・6メートルと31・4メートルも高い。

東台と西台を結んだ先に日本海があり、さらにその先にあるのが北朝鮮だ。北朝鮮から発射された弾道ミサイルを探知しようと東台からレーダー波を出せば、西台が邪魔になる。

防衛省はこの西台を避けるため、仰角を5度以上にしてレーダー波を出すという。地球は丸いので、北朝鮮から発射された弾道ミサイルは日本海から飛んでくるように見える。だから、レーダーは水平に近ければ近いほど探知が早い。たとえ5度であっても上向きにすれば、その分だけ探知が遅れることになる。

防衛省はイージス・アショアの適地を決める際、グーグル・アースの縮尺を読み間違えて、秋田市の新屋演習場を「適地」と判断していたことが判明している。むつみ演習場の選定もグーグル・アースを利用した。

イージス・アショアの配備が予定される山口県萩市のむつみ演習場