中国人観光客が、日本の電車・バスに「感動している」意外なワケ

彼らからは日本がこんな風に見えている
中島 恵 プロフィール

北京や上海との違い

「ちょっと日本を褒めすぎなんじゃないの?」「中国のほうが最近はすごいじゃん」と思う日本の人もいるかもしれない。とくに日本人が自画自賛する「日本スゴイ論」にうんざりしている人が聞いたら、そう思うかもしれない。

しかしこれは、日本がすごい、すごくないという話ではない。ここで言いたいのは、まったく違う社会環境に住む中国人が日本に来て、新鮮な外国人の目線で見るからこそ見えるものの面白さ、そこにもともと住んでいる人(ここでは日本人)とは全然違うところに着目することの興味深さだ。

 

残念ながら私自身、北京や上海などの街角を注意深く見ていると、身体障害者に対して「優しくないな」と感じることが多い。地下鉄の古い路線では、駅にエレベーターがついていないこともある。

道路では、ときどき点字ブロックを見かけるものの、おそらく定期的に点検や整備がされていないのだろう、古い点字ブロックが道路の途中でプツっと途切れていて、かえって危ない場所もある。メロディつきの信号も、私は見たことがない。でも、もともと中国に住んでいる人からすれば「そんなものだ」と思うだろう。

だから、中国人の目には、日本のインフラが随分昔から整っていること、そこで働く人々が(職業としての責任感や倫理感もあって)弱者に対して優しく接していることが、極めて新鮮に映る。そして、そうした仕組みが相互に噛み合ってきちんと機能していることに彼らは感動するのだ。