2019.12.21
# 医療

「高齢で弱ってきたから入院」で後悔する家族が続出するワケ

「寄り添う医療」が病院を超える日

在宅医療の最前線で……

私は、京都御所の近くで在宅療養支援診療所「おかやま在宅クリニック」を開き、在宅医療を専門とする医師です。これまで4年間、地域の多職種の方々といっしょになって、日々患者さんの自宅や、患者さんが暮らしている介護施設などを訪問し、患者さんを診させていただいております。多くがご高齢の方々で、100歳を超える方もいらっしゃいます。

在宅医療とはなにか、ひとことで申し上げるなら、身体が弱り、通院ができなくなった方を医師が定期的に訪問して行う医療だといえます。実際、私が訪問している患者さんの多くは、通っていた大きな病院に通院できなくなったことでご縁ができた方々です。

ご高齢の方が多く、その時期はさまざまですが、「いずれ迎える死を想定しなくてはならない方」と言うことができると思います。

 

在宅医療は死を内包した医療です。広い意味で、終末期医療の一部であり、死を迎えるまでそこにある「生」を、苦しみ少なく、ご自分の住み慣れた場所で過ごすことを支えることなのです。

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70%以上の人が病院で亡くなる現実

1つの「数字」があります。

内閣府では、2012年に「高齢者の健康に関する意識調査」を行っています。質問は多岐にわたりますが、そのなかで、「治る見込みがない病気になった場合、どこで最期を迎えたいか」についても問うています。回答は、「自宅」が54.6%で半数以上でした(内閣府 平成25年「高齢者の健康に関する意識調査結果」)。

そうした高齢者たちの希望にもかかわらず、現在の日本の実態はといえば、それとは大きく異なっています。死亡の場所別に見ていくと、2017年には74.8%の方が、診療所を含めた病院(医療機関)で亡くなっています(厚生労働省「平成29年人口動態統計(確定数)」)。

希望が「自宅」であるのに、なぜ、それはかなわないのでしょうか。

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