ウズベキスタンの大統領がやってくる。その意味と価値をよく考えよう

ロシアでも中国でもなく、なぜ日本に?
河東 哲夫 プロフィール

ミルジヨエフの改革路線とその曲がり角

この3年、ミルジヨエフは、自由化・改革を待望する国内の開明派に受ける政策を一貫して追求してきた。

当初は、水戸黄門のように国内をお忍び行脚しては悪辣な知事達を叱責・解任、次にスタート・アップを目論む者達にとっては不可欠の、外貨取得の自由化を断行して、社会に新鮮な風を引き入れた。

 

しかし、彼は自分の派閥を持たない。だから、新しい政策を作るのにも、実行するのにも、スタッフが足りない。そして古いやり方しか知らない現場、地方の役人は、改革を阻害する。半年前にも、市民の不動産を恣意的、かつ強引に接収する役人が相次いで摘発されている。

そして外貨交換の自由化は、当然のことながら通貨スムの急速な価値低落(この2年で半分以下)と、それによるインフレの亢進を招いた。

今年のインフレは15%強にも達すると見られている。そして政権当初のばらまきにより、財政赤字が増大し(19年度予算では連結ベースでGDP比1.8%を予定)、世界銀行、そしてアジア開発銀行から赤字補てんのための融資計8億ドルを得たばかりである。

ミルジヨエフ大統領は当初、カリモフ時代の外国融資依存を批判し、融資より直接投資を求める姿勢を示していたが、さほどの市場を自身、そして周囲に持たないウズベキスタンへの直接投資は簡単には増えない。

中国からの融資は一時急増して、現在21億ドル分累積しているが(政府債務。日本からの融資は15億ドル分累積)、今の中国は自身の経済が停滞に直面している。一時、建設を約束していた、東西を結ぶ新しい鉄道も、実現化していない。

こうした事情の中、日本からの輸出信用、あるいは円借款が持つ魅力が再認識されつつあるのではないだろうか。

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