# 英語

【研究結果】本当に何かを習得したいなら、学習ではなく〇〇が効果的

英語学習の科学
中田 達也 プロフィール

「テスト効果」を応用した効果的な外国語学習法

テストが記憶を促進するという現象は、外国語の単語学習においても確認されています。

例えば、アメリカの大学生を対象に行われた研究では、「スワヒリ語の単語を見て、その意味を思い出す」という練習テストを約2回行った場合、1週間後の保持率はわずか33%でしたが、テスト回数を4回に増やすことで、1週間後の保持率は81%と格段に高くなったことが示されています。

一方で、「スワヒリ語の単語とその意味を同時に見て、覚えようとする」という学習の回数を2回から4回に増やしても、1週間後の保持率はほとんど増えませんでした(33→36%)。

また、テスト回数が4回であれば、スワヒリ語の単語とその意味を同時に見た回数が2回であろうが、4回であろうが、1週間後の保持率は81%で全く変わりませんでした。

これらの結果は、単語習得に影響を与えるのは、テストの回数(単語の意味を何回思い出そうとしたか)であり、学習回数(単語とその意味を何回見て覚えようとしたか)は重要な要因ではないということを示しています(以下の表をご参照ください)(*2)

 

それでは、どのようにすれば外国語の学習にテスト効果を生かすことができるでしょうか? まず、単語学習について考えてみましょう。

テストに学習効果があることを考えると、例えば単語帳で英単語とその和訳をただ眺めているのは、効果的な学習法であるとは言えません。

和訳の部分を隠して英単語からその意味を思い出したり、英単語の部分を隠して和訳から英単語を思い出すなど、何らかのテストの要素を持たせることで、記憶への定着が飛躍的に高まることが期待できます。

英単語帳の中には緑色の半透明のシートが付属して、赤字の部分を隠せるようになっているものがあります。シートを使用することでテストの要素を持たせられるという点で、暗記シートを使用した学習法は記憶研究に基づいた効果的な学習法であると言えます。

また、片面に英単語、もう片面に和訳を書いた単語カードを使用して、テスト効果を生かすこともできます。英単語から和訳を、和訳から英単語を思い出すなど、自分自身の知識を常にテストすることで、テスト効果を取り入れた効果的な学習を行うことができます。

(*2)Karpicke, J. D., & Roediger, H. L. (2008). The critical importance of retrieval for learning. Science, 319, 966–968.