高須院長が初めて語る「僕は『全身がん』とこうして戦ってきた」

「自分の体は実験台です」
高須 克弥 プロフィール

それどころか、生死に関わる事故も起きています。かつて「美容医療は命に関わらない治療」といわれていましたが、玉石混淆のいま、それは過去のことになりつつあります。こうした問題を解決するにはダメな医者を淘汰するしかありませんが、日本の美容外科界は特殊な歴史を持つため、その仕組みがないという現実があります。

お隣の韓国もまた美容整形大国として知られています。最盛期にはソウル市内の整形通りと呼ばれる地区に美容外科クリニックが軒を連ねていましたが、近年閉鎖に追い込まれるクリニックが少なくありません。理由は需要増によって急拡大した結果、未熟な医者が生まれ、医療事故が続出したことにあります。

 

これは対岸の火事ではありません。長寿社会となった日本では、今後ますます美容整形が求められるでしょう。しかし、患者を置き去りにして、自分たちの利害を優先すれば、やがて客離れが起きて業界が崩壊するのは必然です。実はいま、日本の美容外科界はそうした危機を迎えているのではないか。僕はマイナスイメージの強い美容外科の世界を変革することに尽力してきただけに、危機感を抱いています。

だからこそいま、日本の美容外科の苦難の歴史を語るべきだと思いました。かつて業界の覇権を競い合ったライバル、美容外科を世間に広めようと誓い合った盟友もいなくなりました。いわば、僕は日本の美容外科界の生き字引。黎明期からいまを知る唯一の語り部です。僕の人生を語ることは、日本の美容外科の歴史を語ることなんです。

数々のトラブルを超えて

「成功する秘訣はなんですか?」と聞かれることがよくありますが、答えは簡単です。僕の人生のモットーは「逆張り」です。みんながやろうとしないことに宝の山があります。