各国で出版されている『進撃の巨人』

日本の漫画は、海外コンテンツ市場で「本当に」戦えているのか

講談社の中の人に聞いた

拡大する市場のなかで…

スマートフォン、SNSが爆発的普及を遂げた昨今、漫画、アニメ、ゲームといった様々なコンテンツが世界中で拡散されつつある。経済産業省が発表した「平成29年度知的財産権ワーキング・グループ等侵害対策強化事業におけるコンテンツ分野の海外市場規模調査」によると、海外コンテンツ市場の規模は2016年の5898億米ドルから、2022年には7448億米ドル(約81兆円)に拡大すると推定されている。

一方、日本政府は2012年から国策として「クールジャパン戦略」を掲げ、日本発のコンテンツの海外展開を目指してきた。だが、その推進役として設立された政府と民間による「官民ファンド」のプロジェクトで、損失が膨らみ、投資の失敗ともいえる事例が相次ぎ、「迷走」の評価を甘んじてきた。

ブラジルで大人気の『セーラームーン』
 

そんななか、今年9月、政府は知的財産戦略本部の会合を開き、新たなクールジャパン戦略を決定。政府主導を改めて民間に中核組織を立ち上げることを柱と説明した。外国人や投資家、地方事業者ら関係者の連携を図り、海外のニーズの分析・共有を進めるという。安倍晋三首相は「クールジャパンは経済成長のみならず、日本のソフトパワー強化に貢献する。戦略に基づき取り組みを進めてもらいたい」と指示した。

世界に日本の魅力を発信したり、日本を拠点に活動するなど「日本ファン」を増やす。それが政府の方針だ。その根底には、日本の漫画、アニメ、ゲームといった様々なコンテンツは海外ユーザーからの高い人気を獲得できるという自信がうかがえる。だが、アジア市場の台頭、コンテンツビジネスの多様化のなか、日本は本当に「戦える」のだろうか。

ここでは、日本で生まれたカルチャーとして代表される「漫画」の海外市場での現状について、「海外版権を効果的に管理・運用して収益を最大化する」ことを目的とする、講談社国際ライツ事業部の森本達也氏、加登絵梨佳氏に聞いた。