2019.12.23
# 講談社現代新書 # 肩こり # 首の痛み

長年の痛みがどんどん消える自律神経「驚きの改良法」

谷川浩隆の「歩いて治す」診療室
谷川 浩隆 プロフィール
 

自律神経がなぜ痛みに関係するのか

腰痛や肩こりのような「痛み」は、感覚神経によって脳に伝えられます。感覚神経のどこが障害されるかによって痛みは大きく三つに分類されます。
三つの分類について腰痛を例にとってみていきましょう。

 1.侵害受容性疼痛

 腰の骨や筋肉をいためた場合で、これは腰そのものが原因です。切り傷や打撲による痛みもこの仲間です。

 2.神経障害性疼痛

 痛みを伝える感覚神経が故障を起こす痛みです。腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症で生じる坐骨神経痛のほかに糖尿病による手足の神経痛はこの仲間です。

 3.心因性疼痛

 痛みを感じるこころに問題が起きた場合の痛みです。

これら三つの痛みは厳密に分けられるものではなく、二つ以上の要素が同時に存在することもあります。これらの中で、特に神経障害性疼痛には自律神経が関係します。神経障害性疼痛ではジンジン、ビリビリといったシビレや重だるさを伴った「いやな感じ」が患者さんを苦しめます。

自律神経は感覚神経や運動神経と複雑に連絡しているため、血流を減少させたり感覚神経を過敏にしたりして、痛みを複雑な厄介なものに変化させてしまうのです。こういう痛みはなかなか表現しづらいため、「気のせい」とか「仮病」といわれてしまいます。

 

このような痛みは他人には理解できないため、「ほかの人にわかってもらえない」ということ自体が患者さんのストレスを増幅して自律神経を刺激します。するとますます痛みが強くなる悪循環に陥るのです。

慢性の腰痛や肩こりは、身体的原因だけではなく、家庭や職場などの環境要因、ストレスなどの心理的要因によって、症状が大きく左右されます。つまり痛みは感情(=気持ち)に影響されるのですが、痛みに苦しんでいる患者さん本人は「気持ちによって痛みの強さが変わる」なんてことはとうてい納得できません。

(photo by iStock)

患者さんは「痛みの本当の原因が知りたい」ということで、いくつものクリニックを受診します。患者さんは、医者へ行けば、検査でたちどころに痛みの原因をはっきり診断できると信じて医者を受診するのです。

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