2019.12.23
# 腰痛緩和 # 散歩 # 心療内科

長年の痛みがどんどん消える自律神経「驚きの改良法」

谷川浩隆の「歩いて治す」診療室
谷川 浩隆 プロフィール

これに対して、自律神経は「無意識に働く」神経です。自律神経には交感神経と副交感神経という2種類の神経があります。

交感神経は「闘う」ときの神経で、気持ちが興奮するときに働き、心臓を速く鼓動させ、緊張のため血管が収縮して血圧が高まります。

一方、副交感神経は「休息する」ときの神経です。心臓の鼓動をゆっくりとし、目の前に敵がいない時にゆっくり食事ができるように、胃腸の動きを活発にします。睡眠の時に働いているのも副交感神経です。交感神経も副交感神経も中枢から末梢の方向性ですので遠心性神経です。

 

感情や気持ちから、からだに変化が起こるのはこの自律神経の働きです。たとえば「びっくりして心臓がどきどきする」「恥ずかしくて冷や汗をかく」「心配で胃が痛くなる」。これらは「こころの動き」が自律神経を通して、末梢に信号を送り「からだの変化」を起こした結果です。だから心拍が速くなったり、発汗をしたり、胃腸の平滑筋が収縮したりするのです。

自律神経は自分の意思では動かすことができません。「心臓の鼓動をゆっくりさせよう」とか「腸をもっと動かそう」と考えても、ふつうはそんな器用なことはできないのです。

自律神経は心臓や胃腸ばかりではなく、全身くまなくすみずみまで張りめぐらされています。手足や胴体の筋肉にも伸びていて、筋肉の血流をコントロールしています。ネット時代の用語を流用すれば、さしずめ「こころとからだをつなぐ体内LAN」のようなネットワークです。このネットワークによって感情や気分がからだの調子に反映されます。

医学生は医学部に入学すると、まず最初に解剖学を勉強します。解剖学では体性神経についてはとても詳しく習います。足の痛みやシビレを感じ、ヒザや足首を動かす坐骨神経は人体で最も太い神経です。医学生は鉛筆より太い坐骨神経を実際にみて「神経」というものを実感します。

しかし自律神経は全身に「網の目のように」広がっているため、肉眼で観察しにくいのです。交感神経は脊椎のほぼ中央部、胸椎と上部腰椎から始まります。副交感神経には有名な迷走神経という神経があり、この神経は脳から出て心臓に枝を出し、それから胃腸など全身に張りめぐらされていきます。

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交感神経も副交感神経も体性神経に比べると細くてはっきりせず、しっかりたどって確認することは容易ではありません。医者が学生の時、自律神経を体性神経のようにしっかり学習しないことも自律神経に対する理解が進んでいない原因の一つです。

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