日本の若者たち、いよいよ「大企業離れ」が止まらなくなってきた…!

これから日本はおもしろくなるぞ
藤野 英人 プロフィール

大企業の安定感は「魅力」ではなくなった…

私は「大企業なんてもうダメだ」と言いたいわけではありません。

ここでもう一つ、ドローンを活用した農業支援などを手掛けるスカイマティクス社のエピソードを紹介しましょう。

〔photo〕スカイマティクス社

写真は、同社の葉色解析サービス『いろは』にてキャベツ畑を捉えたものです。ドローンで撮った画像を自動でマッピングし、画像解析により個々のキャベツの生育状況を判別できるというものです。

このドローン技術には、防災、土木、建築、農業などの世界を、スマートで楽しいものにする可能性があると考えました。

ただ、私が注目したのはそこだけではありません。

 

スカイマティクス社はもともと三菱商事と日立製作所の共同出資により設立された企業で、三菱商事の子会社でしたが、2019年10月に渡邉善太郎社長と倉本泰隆取締役CTOの創業経営陣2人が同社をMBO(マネジメント・バイアウト)しました。

渡邉さんは元三菱商事、倉本さんは元日立製作所のサラリーマンでしたから、三菱商事の子会社としてやっていく道を捨て、会社を買い取ってオーナー経営者になるというのは大変な決断だと言えます。

私は渡邉さんから、MBOにあたり出資の相談を受けました。そこでなぜMBOをしたいのか理由を尋ねると、彼は「三菱商事の子会社だと、優秀な人材が採用できないんです」と言ったのです。

若い優秀な研究者は、大手企業で上司にがんじがらめにされることを嫌うといいます。彼らにとって重要なのは自分の才能を発揮できる環境やおもしろいと思える仕事があることであり、大企業の安定感は魅力にはならないわけです。