冬のボーナス「過去最高」でも、衰退途上国・日本の未来はヤバい理由

向こう3年で何が起きるのか…
週刊現代 プロフィール

年収は50万円近くダウン

「過度な長時間労働が減り、過労死を未然に防げるようになったなら喜ばしいことです。しかし、デメリットにも注目しなければなりません」と話すのは、給与コンサルタントの北見昌朗氏だ。

「総務省が行った平成28年度版の『労働力調査』によれば、男性正規社員の約4割が月間30時間超の残業をしています。年収450万円の中小企業の男性が、働き方改革によって残業がなくなった場合どうなるかを試算したところ、なんと50万円近く年収がダウンすることがわかりました。

当然家計は火の車です。家族全体の消費は減り、子供の教育や医療におカネをかけられなくなる。そんな貧しい家庭が急増することを危惧しています」

 

その兆候はすでに現れている。転職口コミサイトのオープンワークによると、日本人の月間平均残業時間は'12年の46時間から、'18年には28時間に減少。残業代を一時間当たり2000円とすれば、月で3万6000円も給料が減ることになる。

政府はいっそうの働き方改革推進を各企業に求め、減った給与を補うためにサラリーマンに兼業などを推奨しているが、普通のサラリーマンがそう簡単に兼業先を見つけられるとも思えない。

Photo by iStock

働き方改革と同様に日本社会に浸透したのが「コンプライアンス遵守」だ。暴力行為やセクハラが減少したのなら歓迎すべきことだが、「どこからが違反なのか」の基準が共有されぬまま進められた結果、あらゆる行為が「コンプラ違反」と認定され、会社を混乱させる。国際投資アナリストの大原浩氏がこんな懸念を漏らす。

「法令や規律を守ることは大事ですが、いまは過剰なコンプライアンス意識のせいで、問題行動を起こすと一発でアウトになるような風潮ができている。

これは大変危険なことで、『こういうことを言った瞬間に会社員人生が終わる』『このアイデアはコンプラ違反と言われるかもしれない』と働いている人たちが萎縮して、なにをするにも躊躇するようになります。そうすると、新しい発想や斬新な挑戦が生まれなくなってしまう。

部下から革新的な新製品の提案が出てきても、上司が『企画のここがコンプライアンスに抵触するね』とあっさり却下してしまうケースも出てくるでしょう」

11月には米マクドナルドのCEOが、部下と恋愛関係にあったことが発覚して即刻解任された。その実態はほとんど解明されず、本人の釈明も許されなかった。