12月28日 米の生物学者A・S・ローマー誕生(1829年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1894年のこの日、アメリカの生物学者アルフレッド・S・ローマー(Alfred Sherwood Romer、1894-1973)が生まれました。

生まれたのはニューヨーク近郊アマーストン。高校卒業後は、マサチューセッツのアマースト大学、コロンビア大学に進み、1923年にシカゴ大学の地質学・古生物学部門の准教授となりました。

 

彼の積極的な研究活動により、シカゴ大学ウォーカー博物館の古生物学部門の標本資料は非常に充実したものとなりました。1934年よりハーバード大学に移り、同大学の比較動物学博物館長も兼任しました。

【写真】A・S・ローマー
  アルフレッド・S・ローマー。復元したクロノサウルス(Kronosaurus)の骨格とともに photo by gettyimages

ローマーは、古生物学、比較解剖学、発生学から検証する手法で、脊椎動物の進化を研究していました。その結果、「脊椎動物に起こった基本的なからだの構造と機能の変化は、彼らの環境と密接に結びついたものである」と証明して名声を博したのです。

加えて、彼は脊椎動物の基礎的な分類を確立することにも寄与しました。一連の研究は、生物学のみならず、ヒトの形態解剖や発生など、医学にも影響を及ぼしています。

脊椎動物は魚類から両生類へと進化し、陸生への環境に対応していったと言われています。しかし、デボン紀後期に起きた生物大量絶滅直後の3億6000万年前から、両生類の爆発的な分化(適応放散)起こる3億4000万〜3億3000万年前の間の数千万年における原始的な陸生生物への連続性を立証する化石などの証拠が見つからず(ミッシングリンク)、古生物学の謎となっていました。この期間を、古生物学者はローマーの名前にちなんで、「ローマーの空白」と呼んでいました。

【イラスト】イクチオステガの想像図
  デボン紀後期の大量絶滅(F-F境界)直後の原始的両生類「イクチオステガ(Ichthyostega)」の想像図。その後の研究で、水の浮力を利用しないと体を支えることはできず、ほぼ完全水棲だったろうと言われている photo by gettyimage

なお、完全水棲の魚しか見つからないと思われていたこの空白時代の化石に、四肢と5本の指の骨格をそなえ、原始的な両生類とされた「ペデルペス(Pederpes)」が、イギリスの古生物学者ジェニファー・クラック(Jennifer Alice Clack、1947- )によって発見されています。しかし、このペデルペスが陸生に耐え得る呼吸器や指示骨格(筋や腱)を持っていたかどうかは、いまだ完全には解明されていないそうです。