2020年、大企業の40代・50代を襲う「大・早期退職時代」が来る

「生き残り」の策が必要だ
松岡 久蔵 プロフィール

労働組合、株主の変化

管理職の中でも、とりわけ50代以上のいわゆる「バブル入社組」に対する風当たりは、これまでも強かった。なぜ今年になって急に早期退職募集の流れが強まったのか。全国紙経済部のベテラン記者はこう話す。

 

「一つは、令和になったことです。そんな単純な、と思われるかもしれませんが、5月という比較的年度替わりに近い時期に新元号に変わったことで、日本社会に『長い昭和としての平成』が終わった、という節目の意識が共有されつつあるのだと思います。

企業としても、大胆なリストラ案を進めるには何らかの大義名分が欲しい。『日本は新時代に入った、われわれも生き残るために改革しなければ』と言えば、非情な決断もいくぶん通りやすいでしょう。

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もう一つは、安倍政権下で進められた企業のガバナンス強化が挙げられます。これは株式会社に対して、海外投資家も含めた株主の利益を最大化するように企業運営を透明化することを求めるものですが、これもリストラの大義名分になった。

例えば、『人件費を圧縮すれば、設備投資に資金をまわして主力事業を強化できる』とか『より高度な人材を確保するために適切な人件費の配分をする必要がある』といった、『株主利益』を掲げると話が通りやすいというわけです。

かつての日本企業なら『企業は従業員のもの』という考えが徹底していましたから、リストラを断行しようにも、労働組合の力も強く実現できなかった。しかしいまは株主有利の時代ですし、実際に海外ファンドなどの『モノ言う株主』に突き上げられれば、応じざるを得ない部分もある。環境が大きく変わったということです」

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