2020年、大企業の40代・50代を襲う「大・早期退職時代」が来る

「生き残り」の策が必要だ
松岡 久蔵 プロフィール

業種別では、不振が目立つ電気機器メーカーの東芝(1410人)、富士通(2850人)、さらに経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI、1200人)、ルネサスエレクトロニクス(約1500人)などが名を連ねる。薬価改定や国外メーカーのライセンス販売終了を控えたアステラス製薬、中外製薬など製薬会社、さらに食品、卸売、機械、繊維製品も目立つ。

 

「先行型」の企業が増えている

東芝などの製造業はかねてから業績不振が伝えられており、今回の早期退職募集も理解しやすい。ただ今年の特徴は、業績が堅調な業界大手も、来年以降に「先行型」で早期退職を募る方針を明らかにしていることだ。2020年以降、7社の実施予定が判明しているという。

50歳以上の管理・専門職を対象にするとみられる企業も多く、体力があるうちに社員構成を若返らせ、人件費を削減したい意図が見える。また、データ解析やマーケティングなどの人材をより多く確保する方針を掲げている企業もあり、「企業が求める人材」がこれまでよりも高度化している様子がうかがえる。

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この調査結果について、大手証券のストラテジストはこう解説する。

「電気機器メーカーが苦戦しているのは、結局のところ、かつての『総合力』で勝負する体質が抜けきらない老舗メーカーが目立つ為です。ソニーのようにセンサーなど電子部品に注力するといった『選択と集中』に踏み切れなかったツケが回ってきたということでしょう。

今回の調査で重要なのは、企業が『先行型』の早期退職募集で、大量採用の『バブル入社組』を切り捨てる方向に舵を切り始めたということです。企業もかつてのように終身雇用を保障できる体力はもうありませんから、余裕のあるうちに『高い賃金水準の管理職』を切り捨てる代わりに、より専門的な知識のある若手人材や、中途入社の優秀な人材を確保したいということなのでしょう」

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