深海でも高山でも山火事でも生き残る! 植物が地球を制覇できた理由

植物の頭の良さ、東大生が解明します
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海藻を観察しながら海に潜っていくと、浅いところから徐々に、緑色、褐色、赤色の海藻に移り変わっていきます。

海底に生息する「紅藻」 Photo by iStock
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この色の変化が、じつは海藻が生きていける海の深さと関係しているのです。

そもそも、なぜ陸や浅瀬の植物は緑色なのでしょうか。

それは、陸や浅瀬の植物が光合成をするとき、緑色の光をあまり受け取らないからです。

 

もともと、太陽の光はさまざまな色の光が混ざってできています。植物はその光を受けて光合成をしますが、そこで受け取られなかった緑色の光が私たちの目に届き、私達は葉を緑色だと感じるのです。

それでは、赤色の海藻についてみてみましょう。赤色の海藻が育つ海の深いところには、基本的にほとんど光が届きません。

しかし、その中で青色や緑色の光は、他の色に比べて海の深くまで届きやすい性質を持っています。そこで、深いところに育つ海藻は、青色や緑色の光で光合成をするつくりを発達させました。

そのため、白い光を当てたときに他の色と比べて赤色の光が受け取られないので、深い海に育つ海藻は赤色にみえるのです。海藻がカラフルなのには、生きていくための工夫が隠れていたのですね。

「自力」で環境を整える器用な植物!

ここまでは、不利な条件に耐える、という視点で見てきました。しかし、適応するといっても、たんに環境に耐えるだけがすべてではありません。

次は、過酷な環境に対して自前の温室をつくりあげる植物、レウム・ノビレ(セイタカダイオウ)をご紹介します。

レウム・ノビレは高山に育つ植物です。7~8年ほどの寿命で、その最後の年にはじめて花を咲かせます。高山はとても気温が低く厳しい環境で、多くの植物は体を小さくしてこの環境に耐えているのですが、レウム・ノビレは1.5mほどの高さにまで成長します。

レウム・ノビレ (Photographer, Bill Baker, Royal Botanic Gardens, Kew. Retrieved from https://garden.org/plants/photo/281678/)
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そして、大きな特徴として、花が咲くときに花を覆うような半透明な葉をつけます。

この葉によって、花がある部分の気温は、外気にくらべて10度以上高く保たれるのだとか。まさに、自前の温室です。この温室のおかげで、レウム・ノビレは花のつく茎の成長や、正常な花粉づくりができるのです。自分で自分の周囲の環境を整える、器用な植物なのです。

山火事を利用して競争に勝つ植物とは?

深海や高山のように常に厳しい環境でなかったとしても、季節や時期によって植物が生きにくくなる地域もあります。

アメリカ大陸の北部にある森林では、雷などによる自然な発火に加え人間がうっかりしたことで起こしてしまう山火事もあって、数十年に一度は山火事が起こるそうです。

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